三菱ケミカルは、エンジニアリングプラスチックス(エンプラ)事業の再編を実施する。同事業強化に向け、三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)の一部株式を2023年4月3日付で三菱ガス化学に譲渡すると同時にMEP事業の一部を吸収分割により取り込むことを2月8日に発表した。
三菱ケミカルグループではMEPから吸収分割で取得するポリブチレンテレフタレート事業及び「XANTAR(ザンター)」を含む特殊ポリカーボネート(PC)事業のより一層の高付加価値化を行う。さらに、重合技術およびコンパウンド技術などを軸に、三菱ケミカルが保有するバイオエンプラ「DURABIO(デュラビオ)」をはじめとする各種エンプラ事業とともに、高機能ポリマー事業として持続的成長を目指していく考えだ。
また、同社の広範な海外拠点などグローバルネットワークの活用や幅広い技術面でのシナジーを発揮することにより、エレクトロニクスやモビリティ、メディカルなどの成長分野において高付加価値戦略のもと事業拡大を一層加速させ、あわせてサステイナブル資源の利用やリサイクル技術の開発など、カーボンニュートラル実現に向けた新たな価値の提供においても積極的な取り組みを行っていく。
MEPは1994年に同社と三菱ガス化学の折半出資で設立された。それ以降、国内外27か所に事業拠点を広げ、顧客に密着した技術サービスと顧客ニーズに応える幅広い製品を提供している。ポリカーボネート(PC)の世界シェアは10%超で、販売会社としては世界第3位を占めている。
三菱ケミカルでは基本的考え方のもと、MEPの株式25%を2023年4月に三菱ガス化学に譲渡することとしており、その結果当社によるMEPの株式保有比率は25%となり、MEPは三菱ガス化学の連結子会社となる。
MEPはPCの製造販売会社として事業活動を継続し、その他の事業は同社及び三菱ガス化学グループにそれぞれ吸収分割する。
なお、今回の再編により、MEPはPC専業会社として三菱ガス化学の連結子会社となるが、同社は25%の出資を継続し、福岡事業所で高品質PC製品の製造をMEPから受託の形で行うなど、今後も一定の役割を果たしていく。なお、本件による連結業績及び連結財務状況に与える影響は軽微としている。
2022年02月11日