東洋紡の22年3月期第3四半期連結決算は、売上高が2745億4100万円で前年同期比12・6%増、営業利益は228億9300万円で同25・1%増、経常利益は181億9800万円で同46・0%増、四半期純利益は121億2500万円(前年同期は2500万円)となった。
セグメントのうち、フィルム・機能マテリアルの売上高は1273億円で同12・6%増、営業利益は166億円で同15・6%増。工業用フィルム事業、機能マテリアル事業が堅調に推移した結果、増収増益となった。フィルム事業では、包装用フィルムは巣ごもり需要が継続したが、前年度の火災事故による販売減少、および原料価格高騰の影響を受け苦戦した。工業用フィルムは、堅調な市況を背景に液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」が、新ラインの稼働により販売を伸ばした。
機能マテリアル事業では、工業用接着剤「バイロン」は、エレクトロニクス用途の販売が堅調に推移した。また、水現像型感光性印刷版用途の光機能材料は、中国・北米・欧州向けに販売を伸ばした。
生活・環境の売上高が824億円で同6・6%増、営業利益は27億円で同11・5%減。スーパー繊維は経済活動の復調に伴い需要が回復し、販売は堅調さを取り戻した一方、ポリエステル短繊維や長繊維不織布スパンボンドは、原料価格高騰の影響を受けた結果、増収減益となった。
環境ソリューション事業では、溶剤を回収するVOC処理装置は、LIBS市場が回復基調にあるものの、前年度の営業活動の停滞により受注が減少し苦戦した。
不織布事業では、長繊維不織布スパンボンドは、建材用途が堅調だったが、原料価格高騰の影響を受けた。機能フィルターは、マスク向けの販売が減少した。
通期予想については、直前に公表されている業績予想から修正し、売上高は3700億円で前期比9・7%増、営業利益は290億円で同8・8%増、経常利益は240億円で同15・9%増、当期純利益は130億円で同209・4%増を見込んでいる。
2022年02月14日