ランクセスは2月10日、イタリアのヴェルサリス(エニ)とノヴァモントの合弁企業であるマトリカ社と、再生可能原料による持続可能な保存剤の製造に関するパートナーシップを締結したと発表した。マトリカ社のイタリア・サルデーニャ島に位置するポルト・トッレス工場では、2022年1月から植物油に由来するバイオベース原料を同社へ供給する。同社はこの原料を新たな工業用保存剤の製造に使用し、「プリベントール」ブランドの製品を拡充する。
両社はこのパートナーシップにより、持続可能な保存剤の製造を大幅に強化するとともに、市場の需要増加へ対応することを目指す。新たな「プリベントール」保存剤は、塗装やコーティングのほか、家庭用洗剤、ランドリーケア製品、食器用洗剤などの消費者向け製品として設計されている。
同社物質保護剤(MPP)ビジネスユニットのバイオサイドビジネスラインのヴァイスプレジデントであるオリヴァー・クレチック氏は、「プリベントールは世界有数のブランドであり、工業用保存剤における業界標準の一つとなっている。ランクセスはバイオベース原料の使用が現代の保存剤には不可欠なものであると考えている。今回の提携によって、非常に多くの用途向けに、再生可能原料をベースとする新世代の保存剤が開発可能となる。この取り組みは、ランクセスが持続可能性やコンシューマープロテクション分野を戦略的重点対象と位置づけていることを強調している」と述べている。
同社の物質保護剤ビジネスユニットでは、微生物抑制に関する幅広い用途に向けた、バイオサイド、保存剤、消毒剤の開発・販売を行っている。これらの製品は細菌、酵母菌、真菌、ウイルス、藻類などの微生物による腐敗から物質を保護し、最終用途製品の製品寿命を延長するとともに、その機能性を維持する。物質保護剤ビジネスユニットでは、「プリベントール」ブランドで、塗装やコーティング、木材保存、建設、工程管理、消毒剤などの幅広い用途に応じた有効成分や
製剤を販売している。