樹脂添加剤好調で増収増益 ADEKAの4~12月期

2022年02月15日

ゴムタイムス社

 ADEKAの2022年3月期第3四半期決算は売上高が2610億2300万円で前年同期比22・1%増、営業利益は255億8800万円で同62・7%増、経常利益は264億300万円で同74・1%増、四半期純利益は191億2000万円で同83・8%増となった。

 化学品事業の売上高は1484億6900万円で同29・5%増、営業利益は223億9000万円で同70・7%増となった。

 樹脂添加剤は、自動車向けでは、半導体等の部材不足による自動車減産の影響を受けたが、前年同期比では核剤、光安定剤の販売が好調に推移した。

 建材向けでは、北米の床材用途で塩ビ用安定剤の販売が好調に推移した。また、錫価格の高騰や東南アジアにおける鉛系安定剤の規制強化を背景に、インフラ用途で重金属フリー安定剤の販売が好調に推移した。食品包装・医療用途向けでは、ディスポーザブル医療器具の需要が落ちついたものの、中食需要が継続し、透明化剤等の販売が海外を中心に堅調に推移した。

 自動車や家電、日用品等のプラスチック製品に幅広く使用される酸化防止剤は、上半期に海外での競合品の供給トラブルに伴う需給の引き締まりもあり、販売が好調に推移した。難燃剤は、家電筐体に使用されるエンジニアリングプラスチックの堅調な需要に支えられた。また、ポリオレフィン樹脂向けもEV関連他への用途拡大もあり販売が順調に拡大した。

 その結果、樹脂添加剤全体では、原料価格高騰の影響を受けたが、販売数量の増加により、前年同期に比べ増収増益となった。

 情報・電子化学品の半導体向けでは、IoTや5G通信の普及拡大に伴うデジタル機器の高機能化やデータセンター投資の拡大を背景に、最先端のDRAMに使用される高誘電材料、NAND向け製品の販売が好調に推移した。また、EUVやArFなどの最先端のフォトレジスト向けに光酸発生剤の販売が順調に拡大した。ディスプレイ向けでは、テレビの巣ごもり需要一巡や電子部品不足の影響もあり、市場でのパネルの供給過剰感が出始めたもののパネル生産が高水準で推移し、液晶ディスプレイ用エッチング薬液、光学フィルム向け光硬化樹脂、カラーフィルター向け光重合開始剤の販売が好調に推移した。この結果、情報・電子化学品全体では、販売数量の増加により、前年同期に比べ増収増益となった。

 機能化学品では、自動車向けでは、半導体等の部材不足による自動車減産の影響を受けたが、前年同期比ではエンジンオイル用潤滑油添加剤やタイヤ用スチールコード伸線潤滑剤、特殊エポキシ樹脂やエポキシ樹脂接着剤の販売が好調に推移した。一般工業向けでは、インバウンド需要の低迷が続き化粧品原料の販売が低調だったが、建築塗料向けに反応性乳化剤の販売は国内外で好調に推移した。また、プロピレングリコール類は工業用、パーソナルケア用ともに好調に推移した。機能化学品全体では、原料価格高騰や物流混乱の影響を受けたが、販売数量の増加と一部製品の価格改定により、前年同期に比べ増収増益となった。

 22年3月期通期の連結業績予想は前回予想を修正した。22年3月期通期売上高は3580億円(前回予想比10億円増)で前期比9・5%増、営業利益が320億円(同10億円増)で同10・4%増、経常利益が330億円(同15億円増)で同12・7%増、純利益が210億円(同10億円増)で同27・9%増を見込んでいる。

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