ニチリンの21年12月期連結決算は、売上高が582億6000万円で前期比13・1%増、営業利益は68億4100万円で同58・7%増、経常利益は75億3100万円で同69・1%増、当期純利益は47億8100万円で同100・8%増となった。
日本の売上高は305億4500万円で同16・3%増、営業利益は18億7300万円で同110・2%増となった。国内販売、海外子会社向け販売とも半導体不足による影響を受けたものの、コロナ禍における大幅な生産縮小の影響を受けた前年と比べると改善した。
北米の売上高は95億8700万円で同8・8%増、営業利益は3億4600万円で同77・4%増となった。年始に寒波による顧客の生産停止や半導体不足による顧客の減産の影響が拡大しつつも、コロナの影響を大きく受けた売上は前年と比べると改善した。利益もコンテナ不足による物流費の増加がありましたが、前年を上回った。
中国の売上高は119億9500万円で同13・0%増、営業利益は19億500万円で同120・2%増となった。新型コロナ禍からいち早く脱却した中国経済は安定した成長が続き、新エネルギー車市場の拡大などにより前年比で乗用車の販売は好調に推移した。ただ、6月以降は世界的な半導体不足の長期化や深刻な電力不足により顧客の減産が顕著になったが、顧客で大規模な生産停止が実施された前年に比べ業績は大幅に改善した。
アジアの売上高は170億2600万円で同26・3%増、営業利益は30億9200万円で同21・4%増。各国国内では、新型コロナの感染拡大が続いているものの、域内における2輪用ブレーキホースが堅調に推移したことに加え、北米、欧州向け販売が回復傾向にあった。
欧州の売上高は51億400万円で同5・2%増、営業損失は1100万円(前年同期は営業損失3億2300万円)となった。欧州市場では、カーメーカーは半導体不足の影響による生産抑制を余儀なくされ、また物流費の高騰などのコスト高の影響を受けながらも、新型コロナの影響を受けた前年に比べ業績は回復傾向にあった。利益はブルガリアの請負工場を利用した採算性向上やグループ会社からの最適調達により、損失幅が改善した。
22年12月期通期業績予想は売上高は609億円で前期比4・5%増、営業利益は70億円で同2・3%増、経常利益は72億円で同4・4%減、当期純利益は30億円で同37・3%減を見込んでいる。
2022年02月15日