帝人グループで自動車向け複合成形材料事業を展開する米国のテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ(TAT)は、中国第2工場として常州市に新設した自動車向けコンポジット製品の生産拠点が22年1月から商業生産を開始したのに続き、23年夏に中国第3工場を瀋陽市に新設すると発表した。TATは、中国で2015年から自動車向けにコンポジット製の部品とその中間材料であるGF-SMC(熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させ、シート状にした成形材料)を製造。電気自動車(EV)向けのバッテリーカバーや周辺部品、外板部品、構造部材などを中国市場へ供給している。商業生産を開始した常州工場や新設する瀋陽工場の周辺には、欧米や中国の有力自動車メーカーが生産拠点を構えている。
同社は中国国内で急速に需要が拡大しているEV向けの部品をはじめとする、環境配慮型自動車に不可欠な軽量、安全で、エネルギー効率や耐久性に優れるコンポジット製部品の供給体制を強化していく。
さらに同社では、中国第2工場の商業生産開始および第3工場の新設を契機とし、「自動車向けコンポジット市場における世界有数のリーディングカンパニーとしての揺るぎない地位を確立していく」としている。また、バリューチェーン全体のライフサイクルにおける、CO2排出量削減に向けた技術開発や様々な取り組みにも注力し、2030年には、自動車向け複合成形材料事業の売上を2,000百万米ドル規模へと拡大していく。
2022年02月16日