帝人は2月16日、既存の炭素繊維中間材料製品に、新たに3種類の熱可塑性樹脂を使用した新製品を開発したと発表した。これにより、熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維プリプレグの製品ラインアップが大幅に拡充されることになる。同社は、熱可塑性樹脂を用いた量産性に優れる炭素繊維プリプレグの展開を拡大している。
今回、新たな母材としてポリプロピレン・ポリカーボネート(PP・PC)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)の3種類の熱可塑性樹脂を使用した、熱可塑性一方向性プリプレグ「テナックスTPUD」、熱可塑性複合材料織布「テナックスTPWF」、熱可塑性樹脂積層板「テナックスTPCL」の新製品がラインアップに加わる。
同社が既に市場展開している炭素繊維プリプレグには、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂を使用しているが、このたび新たに加わる炭素繊維プリプレグの新製品は、既存製品に比べてより低い温度、より短時間での成形が可能であることから、より低コストでの生産が可能となる。
これにより、材料コストや成形時間への要求が厳しい自動車、スポーツ、精密機器などの用途をはじめ、幅広い産業に向けて展開することができる。
同社は、幅広い顧客ニーズへの対応力を強化するため、さまざまな炭素繊維中間材料の製品提供とともに、持続可能な社会の実現に向けたソリューション提供を強化し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していくとしている。