主要プラスチック関連上場企業40社の22年3月期第3四半期連結決算が出揃った。40社中収益認識会計基準の適用により、売上高増減率を記載していない7社を除く33社のうち増収企業は31社となった。
プラ上場企業40社合計の売上高は5兆574億700万円。森六ホールディングス、大日精化工業、積水化成品工業、ユニチカ、大阪ソーダ、サンエー化研、前澤化成工業の7社は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)を期首より適用しており、対前年同四半期増減率は記載していない。このため、単純な比較はできないものの、前年同期の売上高(4兆5710億6400万円)と比べると10・6%増加した。
第3四半期は原材料の価格上昇や不足とともに、半導体部品の不足による自動車減産などで先行きは不透明な状況にある。ただ、原材料高を反映した製品価格の上昇に加えて、中国やアセアンなどへの輸出が伸びたことも売上増加に寄与し、プラ上場企業の多くが増収となった。
上位40社で売上高1位は帝人の6870億500万円で同12・7%増。売上高はマテリアルやヘルスケアなど各セグメントで経済回復に伴う販売増に加え、マテリアルでは原料価格高騰に対応した販売価格改定もあり2桁の増収となった。
また、営業利益は4739億7600万円で同47・8%増となり、40社中営業増益企業は32社で全体の8割が増益となった。コロナ禍からの需要回復に伴う販売増加をはじめ、交易条件の改善、さらに経費節減などコストダウンを実施したことも大幅な営業増益につながった。
営業利益額1位の東ソーは1068億8400万円で同111・2%増となった。主要セグメントのクロル・アルカリ事業は、塩ビ製品やウレタン原料の交易条件の改善により大幅な増益となった。また、石油化学事業についても幅広い製品の出荷増加に加え、ナフサ等原料価格上昇による製品受払差の改善から大幅な増益となった。
経常利益は4991億900万円で同55・3%増となり、経常増益企業は32社となり全体の8割を占めた。このうち、経常増益3桁となったのはカネカ、大日精化工業、ダイセル、東ソーなど10社となっている。
四半期純利益は3316億4600万円で同58・8%増となった。前年同期に比べて純利益が増加した企業は40社中32社を数える一方、帝人や住友精化などの8社は減益となった。
なお、第3四半期の業績発表時に22年3月期通期業績予想を修正した企業はタキロンシーアイ、東洋紡、クレハ、積水化成品工業、カネカ、ADEKA、ダイセル、帝人、東ソー、住友精化、四国化成工業、日本触媒、藤倉化成、JSP、プラコー、日産化学、新日本理化の17社となっている。
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