日本ゼオン、横浜ゴムが研究 NEDOグリーン事業に採択

2022年02月24日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンと横浜ゴムは2月21日、両社が実施する「炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発(本実証事業)」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業・CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」として採択されたと発表した。
 本実証事業で実施する研究開発項目は、①エタノールからの高効率ブタジエン合成。②植物資源からのブタジエン、イソプレン製造の2項目。1項目目のエタノールからの高効率ブタジエン合成については、使用済タイヤや植物原料由来などのエタノールをブタジエンへ高効率に変換する技術を開発。2030年までにパイロット設備を用いて社会実装のための技術を確立し、2034年に事業化を目指す。
 2項目の植物資源からのブタジエン、イソプレン製造は、ゴム・タイヤリサイクル循環における合成ゴム基幹化学品を補完するため、植物原料からブタジエンとイソプレンを直接生産するバイオ技術を開発。2035年に事業化を目指す。
 グリーンイノベーション基金事業は、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という国が掲げた目標の達成に向けて、エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーションの加速を目指して、経済産業省により設置された制度。この目標に経営課題として取り組む企業などに対して、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援するもの。現在、日本における使用済タイヤの多くは、サーマルリカバリー(熱回収)により燃料として有効利用されている。また、今後も世界的なタイヤ需要の増加に伴い、石油由来の合成ゴム等の原材料の使用量も増加することが見込まれている。本実証事業では、使用済タイヤやバイオマスなどの再生可能炭素資源から、炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品であるブタジエン、イソプレンを高い収率で製造する、2つの高度な技術を確立し、2030年代に社会実装することを目指す。これにより、タイヤ・ゴム産業における資源循環性の向上、カーボンニュートラル化に貢献していく。

研究開発項目

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー