東ソーと三菱ガス化学は2月18日、両社が産業技術総合研究所触媒化学融合研究センター、東北大学大学院工学研究科・応用化学専攻冨重圭一教授、化学工学専攻福島康裕教授、大阪市立大学人工光合成研究センター田村正純准教授、コルコート等の共同研究先と連携して、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」の研究開発項目3「CO2からの機能性化学品製造技術の開発」に対し、「CO2を原料とする機能性プラスチック材料の製造技術開発」を提案し採択されたと発表した。
研究開発項目3「CO2からの機能性化学品製造技術の開発」では、2030年までにポリカーボネートやポリウレタン等の製造プロセスにおいて、従来原料のホスゲンを不要とすることによるホスゲン製造時のCO2排出量を削減すると共にCO2を原料化できる技術を実現し、更にプラスチックとしての機能性を向上させながら、数百~数千t/年のパイロットスケールでの実証で、既製品と同等の製造コストを目指す。
同事業は、2050年カーボンニュートラルの目標達成に向け、CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発に係るもので、ポリカーボネートやポリウレタンの原料となるジアルキルカーボネートやイソシアネートをホスゲンの代わりにCO2を原料として製造する技術を確立することで、不要となるホスゲン製造時のCO2排出量の削減とCO2の原料化実現により、原料から製品までのトータルで温室効果ガス(GHG)排出量を下げることを目標にしている。さらに、プロセスの変更や改良の過程でポリカーボネートやポリウレタンの機能性の向上も同時に行う。
同社は、気候変動問題に関わる課題として、GHG排出量削減への取り組みが事業の中長期的な成長に繋がると考えており、今後も引き続き、エネルギー使用の効率化、GHG排出量の削減、CO2の分離回収・原料化による有効利用に向けた技術開発を推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。