三菱ケミカルと三菱ケミカルメタクリレーツは、このほど植物由来原料を使用するMMA(メチルメタクリレート)モノマーの製造技術を開発し、パイロットプラントの設計に着手したと発表した。
同社グループは、①使用済みのアクリル樹脂を回収、分解して再利用するケミカルリサイクル、②既存のMMAモノマー製造プロセスに植物由来原料を適用する新規製造技術、③植物由来原料から発酵法により直接MMAモノマーを製造する新規製造技術の3つの方法により製造するMMAモノマーを「サステイナブルMMA」と定義し、製造技術の開発に取り組んでいる。
今回は、②の既存のMMAモノマー製造プロセスに植物由来原料を適用する新規製造技術開発において成果が得られ、新たにパイロットプラントの設計を開始することにした。今回のプロセスは、植物由来原料を既存プロセスに適用させるもので、これにより100%バイオ由来の炭素を有するMMAが製造可能となる。パイロットプラントは2023年度に稼働させ、品質及び技術の実証を経て、2026年には既存の商業規模プラントへの適用を目指す。また、同社グループでは、既存のMMAモノマー製造技術においても、革新的な触媒の開発や生産性を向上させるプロセスの開発を行い、製造時のエネルギー消費や排出物の削減により、環境負荷の低減に努める。
MMAは自動車のランプカバー、看板、水族館の水槽、塗料、建材などに用いられるアクリル樹脂の原料で、世界需要は360万トンを超えており、今後も各国GDP並みの伸びが見込まれる。同社グループは、MMA及びアクリル樹脂における世界ナンバーワンシェアのメーカーとして、同事業の可能性を追求し、世界中のステークホルダーとともに、サプライチェーン全体で環境負荷を低減することを通じて、サーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みを積極的にリードしていく。
2022年02月28日