BASFはドイツのMDエレクトロニック社が、同社のポリブチレンテレフタレート(PBT)「ウルトラデュアー」を用いた高速データ転送が可能な小型のコネクターシステムを新開発したと発表した。
自動車は進化を続けており、パワートレインの代替や自動運転、持続可能性に対する要望が、自動車のデザインと運転方法に影響を与えている。特に内装はユニークな変貌を遂げており、自動車はモバイルオフィスやリビングルームに変わりつつある。インストルメントパネルなどのアプリケーションは、テレビ会議用の画面を備えたエンターテインメントユニットへと変化している。また、電子機器の高機能化に伴ってより高速なデータ転送が求められ、デバイスの高性能化と、電子部品や材料への要求が非常に高くなっている。さらに、省スペース化のために、軽量化と部品の小型化も求められている。
MDエレクトロニック社は、こうした課題に取り組み、同社のプラスチック技術に関する技術サポートを受けて、USB Type―C規格に基づく新しいコネクターシステム「C―KLIC」(シークリック)の開発に成功した。ウルトラデュアーB 4300 G4には、ガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート(PBT)が使用されており、高い要求特性を満たしている。この技術革新は車載用途に最適であり、その優れた材料特性により、一般的なUSBポートに比べ最大60%の省スペースを実現する。さらに、10GB/sを超えるデータ転送速度と、USB Power Deliveryの規格にも対応可能となっている。
ウルトラデュアーは、その優れた材料特性により、CPA(コネクター位置保証)エレメント、コーディング仕様のコネクターハウジング、また、オーバーモールドが必要とされるコネクターに使用されている。特にコネクターの内部部品ではPBT(ポリブチレン・テレフタレート)の特性が発揮され、電気特性と寸法安定性により繊細な電子部品を湿度や汚れなどの外部影響から保護する。一般的なUSB充電モジュールと比較して、この新しいコネクターシステムはより小さく製造でき、設置スペースと重量も削減する。