東ソーは3月1日、同社グループのMabuhay Vinyl Corporation(MVC社)が、電解設備の生産能力増強を決定したと発表した。併せて、塩素誘導品である塩酸と液体塩素の生産能力増強も実施する。生産能力は苛性ソーダ換算で年産1万3000DMT増(完工後は年産3万2000DMT)、商業運転は2023年11月を予定している。
フィリピンの苛性ソーダ需要は、食品工業洗浄用途を中心に幅広い産業で需要が拡大しており、今後も堅調な成長が見込まれる。一方、塩素需要も、インフラ整備が進む上下水道の殺菌用途や、漂白剤用途等で需要が伸長している。このような環境下、MVC社は、電解設備の生産能力を増強することで、同国における苛性ソーダおよび塩素誘導品の需要の拡大に対応し、安定供給体制の確立を図る。
また、同計画では、電力および蒸気の消費量削減や、更なるエネルギー有効活用を併せて実施することで、二酸化炭素の排出量を増強前よりも削減する。
同社グループは、今後もアジア地域での旺盛な需要の拡大に対応し、収益力の強化を図っていくとしている。