エボニックは3月1日、100%再生可能なアセトンを原料とする世界初の持続可能なイソホロン製品を開発したと発表した。
同社は、アセトンの新たな再利用方法を模索する中でイソホロン化学を発明して以来、世界中の工場でさまざまなイソホロンを出発原料とした製品を開発してきたが、発明から60年を経て、再び化学業界で新たな突破口を開いた。
同社は、再生可能なアセトンを使用することで、イソホロンの製造プロセスにおいて、CO2排出量を大幅に削減したイソホロンベースの製品を提供する。新しいeCO製品は、イソホロン「VESTASOL IP eCO」(ベスタゾルIP eCO)、イソホロンジアミン「VESTAMIN IPD eCO」(ベスタミンIPD eCO)、イソホロンジイソシアネート「VESTANAT IPDI eCO」(ベスタナートIPDI eCO)のブランド名で発売される。同社は今後、市場のニーズに応え、さらに川下製品を投入する予定としている。
新しいeCOシリーズ製品は、化石由来の製品と化学的に同じ組成をもち、加工、配合、性能の面で同じ特性を有している。従来のイソホロン製品と比べ、eCO製品は、地球温暖化係数(GWP)やCO2排出量を大幅に削減できる。例えば、VESTANAT IPDI eCOは、マスバランス方式によると75%の再生可能炭素から構成される。
「マスバランス方式」とは、生産工程におけるインプットとアウトプットのバランスを管理する手法で、この手法を用いることで、再生可能なアセトンの購入量と持続可能な最終製品の一致が保証される。全工程が、国際的に認められたISCC(国際持続可能性カーボン認証)とREDCert規格(欧州再生可能エネルギー指令「RED」に基づく品質認証スキーム)という独立した機関による監査と認証を受け、生産の全段階における再生可能資源の利用を実証する。
同社は、厳格な帳簿の管理と外部監査に基づくマスバランス方式により、使用された再生可能な原料を追跡しながら、大規模生産を行い、お客様に費用対効果の高いソリューションを提供することができるとしている。