BASFは3月8日、ジフェニルメタン・ジイソシアネート(MDI)のポートフォリオを拡充し、初の温室効果ガス排出ネットゼロの芳香族イソシアネートである、ルプラネート・ゼロを発表したことを発表した。
ルプラネート・ゼロは「Cradle―to―gate」(ゆりかごからゲートまで)の製品カーボンフットプリント(PCF)ゼロを実現する。これは、同社工場から出荷されるまでの製品に関連するすべての温室効果ガスの排出と、製品に含まれるバイオベース炭素からの排出がゼロであることを意味している。同社は、工場出荷時のゼロエミッションはオフセット認証なしで達成している。その代わりに、生産工程の初期段階に再生可能な原材料を投入し、マスバランス方式により製品に割り当てている。また製造工程では、グリーンエネルギー認証(再生可能エネルギー認証など)を受けた再生可能エネルギーを使用している。
テュフノルドによるルプラネート・ゼロのPCF計算の検証も完了している。ルプラネート・ゼロは2022年第2四半期に上市予定となっている。
同社モノマー事業本部プレジデントのDr.ランクマー・ダルヴァは、「気候保護は、当社のお客様にとってますます重要になっている。当社製品のカーボンフットプリントに関する信頼性の高いデータによって、BASFはお客様の気候目標の達成をサポートできる。ルプラネート・ゼロを使用することで、お客様は高い製品品質を維持しながらCO2排出量を数値化できる形で削減することができ、気候変動対策に積極的に貢献できるようになる」と述べている。
ルプラネート・ゼロは、まずルプラネートM70Rに導入され、建設業界において、MDIポリイソシアヌレートパネルや硬質ポリウレタンフォームの製造に使用される。硬質フォームボードは非常に高い耐久性を備えており、断熱材として使用される。ルプラネートM70Rにゼロを導入後、他のルプラネート製品にも順次導入していく予定となっている。