三井化学は3月15日、同社岩国大竹工場の高純度テレフタル酸(PTA)プラントを2023年8月(予定)に停止すると発表した。
同社は1958年に岩国大竹工場にてテレフタル酸製造を自社技術により工業化、精製工程追加と生産能力の向上を図りながら、最盛期には国内では75万t/年を製造、海外輸出も行ってきた。2000年代半ばより中国を中心にPTA製造設備が急増し、市況が下落、国内需要も減少するなか、同社はPTA生産能力を削減し、またあらゆる合理化に取り組んできたが、国内でPTA生産を維持するための収益確保が困難と判断した。
同社グループの国内でのPTAの製造は終了するが、GC―M PTA社(タイ法人、同社26%、PTTGCグループ74%出資のJV会社)からPTAを輸入し、同社が販売を行う事により今後も国内での販売体制は維持していく。
同社は、新たな長期経営計画VISION2030において、PTA事業をベーシック&グリーン・マテリアルズ事業領域の中で再構築を進める事業の一つと位置付けている。ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業領域では、全社のサーキュラーエコノミー変革をリードするとともに、高機能品拡大と事業再構築による収益変動度の低減を加速し、資本効率性の改善とあわせ安定収益を上げる事業基盤を構築していくとしている。