カネカは3月16日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発」の助成金交付決定を受け、高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発を加速すると発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、高変換効率と低製造コストとの両立が可能な次世代型太陽電池として、近年世界的に注目されている。我が国においても、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、既存技術では設置が難しい場所への太陽電池の導入に、その軽量性や柔軟性を活かすことができるものと期待されている。
同社では、自社設計のポリイミドを基板に用い、薄膜シリコン太陽電池の量産技術を活用することで世界最薄水準である約10μm厚の超薄型ペロブスカイト太陽電池を開発している。また、この開発を通じてフィルム型ペロブスカイト太陽電池における世界最高水準である20%に迫る変換効率を実現した。同社は、このような革新的なペロブスカイト太陽電池の社会実装を目指し、「サイズフリー・超薄型の特長を活かした高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発」を進めていく。
同社は気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しており、太陽電池事業を重要な事業の一つとして位置づけ、2050年カーボンニュートラルの実現に向け取り組んでいくとしている。