旭化成、米国企業と合意 バイオベースのPA66実用化へ 

2022年03月21日

ゴムタイムス社

 旭化成は3月16日、米国のGenomaticaが現在開発中のバイオマス原料をベースにしたヘキサメチレンジアミン(HMD)(バイオHMD)に関する戦略的パートナーシップに合意したと発表した。同社は現在、化石燃料由来のHMDを原料とする耐熱性や強度・剛性に優れたエンジニアリングプラスチックであるポリアミド66(PA66、レオナ)を製造している。ポリアミド66は、自動車や電子製品向けの樹脂部品、エアバッグ向けの基布などの幅広い用途で使用され、今後も世界的な需要は増加すると予想される。一方、カーボンニュートラルの実現に向けて、化石燃料由来の化学製品はGHG排出量の削減という社会的な要請も高まっており、その解決方法に対する関心が高まっている。
 同社では、バイオマス由来原料を利用したポリアミド66(バイオポリアミド66)の検討を加速するため、バイオテクノロジーを用いた多様な化学品の製造技術と商業化実績を有するGenomaticaから、開発の初期段階からバイオHMDを優先的に利用し、ポリアミド66用原料としての可能性を評価・検討する権利を取得した。今後は、このパートナーシップにより、バイオHMDと同社が有するポリアミド66のポリマー重合技術を活用し、他社に先駆けて自動車やエレクトロニクス用樹脂部品、産業用途の繊維素材向けにバイオポリアミド66を実用化していく。
 また、今回のポリアミド66を含むエンジニアリングプラスチックのバイオマス由来原料化に加え、今後はリサイクル原材料の積極的な活用を通じて、顧客にとってのグローバルサステナブルパートナーとなることを目指す。

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