JSR㈱(小柴満信社長)は、10ナノメートル世代以降の半導体デバイス生産に向けて、EUV(Extra Ultra Violet遠紫外線)リソグラ フィ用の材料開発を進めているが、今回、EUV用フォトレジスト(感光性樹脂)と同社の塗布型ハードマスク材料(多層材料)の組み合わせによって、10ナ ノメートル世代に向けたEUVレジストとして現時点で必要とされている解像度や感度の性能が、トップクラスであることを確認した。
また、塗布型ハードマスクとの組み合わせでエッチング検討を行い、レジストパターンが、ハードマスクを介して基板へ転写され、良好なパターンを形成できることも確認した。
EUVリソグラフィ技術は、現在最先端デバイスの製造に使用されているArFエキシマレーザー光(波長193ナノメートル)よりも一桁波長が短い13・ 5ナノメートルのEUV光を用いることから、20ナノメートル以下の超微細な加工を可能にする次世代技術として有望視されている。しかし、この世代では、 パターンの微細化が更に進むため、フォトレジストの膜厚は50ナノメートル程度と現在量産で適用されているArFフォトレジストの膜厚の半分以下となり、 パターン転写工程での加工性の改良が課題の一つとなっている。同社ではこれらに対応すべく、EUV露光技術の実用化に向けて、フォトレジストのみならず、 加工する際のサポート材料として有機及び無機の塗布型ハードマスク材料などの周辺材料の開発を進め、総合的な材料提案を進めている。
2011年03月22日