韓国経済の現況を調査 シリコーンゴム工場を見学
葛飾ゴム工業会(藤井直行理事長)は11月20日から22日の3日間にわたり会員企業各社の技術研修を目的とした韓国視察旅行を実施した。
この視察旅行は①韓国のゴム業界の輸出戦略②韓国経済の概況③ソウル市内の景況調査を目的とするもので、韓国のシリコーンゴムメーカー、KCC(金剛高麗化学)の大竹シリコーン工場を見学するとともに、韓国三井物産事務所で韓国経済の現況についての説明を受けた。
参加者の調査報告レポートを概括すると次の通り。
韓国のゴム業界の輸出戦略=KCCの大竹工場は、忠清南道の黄海に面した海岸沿いに立地。中国の主要港である青島とは黄海を隔てて対面し、大連も間近である。大竹では、現在、貨物の積み出し港を整備中。工場ではシリコーンゴムの梱包工程を集中的に見学。クリーンルーム並に防塵管理されているが、やや、ライン速度が遅い印象を受けた。
韓国経済の現況と展望=国内市場が狭小のため(人口約5千万人、出生率1・15)、完成品・素材等、業種を問わず製品開発の初期段階から「輸出志向」が鮮明。要素技術の開発には関心が小さく、対日貿易収支は常に輸入超過となっているが、日系企業の韓国進出と韓国企業の実力向上により、今後、その構図が転換する可能性がある。自家用車保有に関する条件は、日本と比較して良好とはいえないものの、近年、国産車(現代・現代起亜)の普及増加が顕著。国産品志向というよりも、部品メーカーの充実を背景とした、国産車のクオリティーの向上が要因として挙げられる。韓国三井物産は、その世界的ネットワーク力を活用した三国間貿易(韓国企業による中国・インド等新興国市場の開拓)の拡充を基本戦略としている。
同視察旅行には会員企業から小里機材㈱(藤井直行代表取締役、藤井宏和取締役工場長)、三協物産㈱(武者英之代表取締役)、三鈴ゴム工業㈱(鈴木錠ニ取締役)、㈱タグチゴム(田口勝臣常務取締役、田口徳明専務取締役)、㈱日興エボナイト製作所(遠藤智久代表取締役)、㈱伸光ライフサポート(中川雄介代表取締役)、㈱ハクタ商会(廣田隆司課長)、㈱JSRトレーディング(山田健主管)の10名が参加。