宇部興産 CDK7阻害薬 独占的ライセンスを米社に供与

2022年03月25日

ゴムタイムス社

 宇部興産は3月23日、同社およびKirilys Therapeutics(Kirilys社)が、同社が創出したCDK7阻害薬KRLS―017について、全世界における独占的ライセンスをベンチャーキャピタルであるキャタリスパシフィックが設立したKirilys社に供与することに合意したと発表した。

 KRLS―017は、可逆的Cyclin Dependent Kinase7(CDK7)選択的阻害薬(低分子化合物)であり、CDK7は、腫瘍における転写依存と細胞周期調節異常の両方の重要な調節因子として関与しているため、広範囲の固形腫瘍および血液悪性腫瘍に対する治療的介入の魅力的な標的となる。KRLS―017は、前臨床試験でクラス最高の効力、選択性、および抗腫瘍効果に加えて、経口薬として非常に好ましい特性を示しているため、抗腫瘍薬としてアンメットメディカルニーズの高い疾患の治療に大きく寄与できることが期待されている。

 同契約により、Kirilys社はKRLS―017に関して、今後の開発、製造及び販売に関する権利を獲得する。

 同社の執行役員医薬事業部長である舩山陽一氏は、「当社は、アンメットメディカルニーズの高い疾患の治療について、より多くの治療選択肢が提供されることを目指して日々創薬に取り組んでいる。抗腫瘍薬の領域はアンメットメディカルニーズの高い領域の一つであり、KRLS―017がこの領域における新たな治療選択肢の一つとして寄与できることを大いに期待している。また今回、抗腫瘍薬開発に対して高い専門性と豊富な経験を有すメンバーから設立されたKirilys社がKRLS―017の開発に関与することにより、その可能性が一層高まると信じている」と述べている。

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