住友ゴム工業は3月24日、発電デバイスを利用した「タイヤ摩耗状態および接地面形状測定方法」を開発したと発表した。同社は、関西大学・谷弘詞教授と共同で、タイヤの回転によって電力を発生させ、タイヤ周辺に搭載されたセンサーにバッテリーレスで電源供給できる発電デバイス(エナジーハーベスト)の開発に取り組んでいる。
同開発では新たに、タイヤ回転接地時にそれぞれの発電デバイスから得られる電圧波形からタイヤ接地長や回転周期、電圧値を算出することができ、これらを計算することでタイヤの摩耗量を推定できる。また、小型化した発電デバイスをタイヤ内に複数個装着することでタイヤ接地面の幅方向の情報を取得し、タイヤ接地面形状を測定する方法を開発した。これらの技術は、タイヤソリューションサービスに活用できると同時に、今後のタイヤ開発にもつながる知見を得られることが期待される。
なお、これらの取り組みが評価され、同社は減災サステナブル技術協会より、「防災・減災サステナブル大賞」防災・減災×SDGs賞・アカデミー&ジュニアアカデミー部門ジャパン賞を受賞した。
同社は、2021年8月に策定したサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」の達成を目指し、地球環境・社会共生・ガバナンスそれぞれで課題解決に取り組んでいる。100年に一度と言われるモータリゼーションの変革に対応するため、同社はより安全・安心で環境負荷の少ない新たなソリューションサービスの提供を通して、豊かな未来の実現に貢献していくとしている。