デンカは3月29日、冠動脈性心疾患リスクマーカーであるsmall dense LDL―コレステロール(超悪玉コレステロール、sdLDL―C)を測定する国内初の体外診断用医薬品「sLDL―EX『生研』」を、4月1日から販売開始すると発表した。
同製品は冠動脈性心疾患発症リスク管理の補助を目的とした測定試薬で、汎用の自動分析装置と組み合わせて使用することで、約10分で人の血液中のsdLDL―C値を測定し、心筋梗塞や狭心症といった冠動脈性心疾患発症リスクを評価する。
コレステロールは人の血液中に含まれる脂質の一種であり、血管内の余分なコレステロールは善玉(HDL)と呼ばれる粒子によって肝臓に回収されている。一方、悪玉(LDL)と呼ばれる粒子もコレステロールを運搬しているが、この量が増えすぎると、血管内に余剰なコレステロールが蓄積される。
近年、悪玉コレステロールの中でも超悪玉コレステロール(sdLDL―C)が特に動脈硬化を引き起こす原因になることが指摘されている他、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、動脈硬化の重症度等との関係を示す研究が多数あることから、人間ドックや健康診断などを通じてsdLDL―C値を測定する
ことには臨床的に重要な意義がある。
同製品を通じて、測定における医療関係者の負担を軽減するだけでなく、日本における死因の第2位を占める心疾患の予防や医療費の抑制に寄与するとともに、人々のQOL向上にも貢献することができる。
同社は今後もSDGsを羅針盤に、誰よりも上手にできる仕事で全ての人がより良く生きる世界をつくる、社会にとってかけがえのない企業を目指していくとしている。