BASF、プラ添加剤拡大 伊・独拠点で生産能力増強

2022年03月31日

ゴムタイムス社

 BASFは3月29日、イタリアのポンテッキオ・マルコーニとドイツのランパータイムの拠点において、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)の生産能力を拡大すると発表した。同社は多段階投資計画の一環として、耐久性を求められるプラスチックに使用される光安定剤の需要増加に対応し、世界中の顧客への安定的な供給の向上を目指している。

 同社欧州パフォーマンス・ケミカルズ事業本部のシニア・バイスプレジデントであるDr.アヒム・サイツは、「現在および将来的な地球規模の課題に対処するために、自動車、建設資材、グリーンハウスなどに使われる持続可能な素材への需要が高まっている。光安定剤のグローバルリーディングメーカーおよびサプライヤーとして、私たちはお客様からの需要増加に対応できるよう生産を増強している。このような補完的なインフラ投資は、当社事業のレジリエンスと効率向上にもつながる。私たちは、お客様から信頼されるパートナーであり続けることを約束する」と述べている。

 プラスチックの使用と廃棄に対する関心の高まりにより、産業界はより持続可能なソリューションに重点を置くようになっている。プラスチック材料を特定の用途でできるだけ長く使えるようにすることで、廃棄物を最小限に抑えることができる。

 プラスチック材料は、太陽や人工光にさらされるとポリマー内の化学結合が破壊されるため、完全性と耐久性において悪影響を受けることがある。光分解によって、ひび割れや白化現象が発生するため、耐衝撃性や引張強度などの物理的特性が弱まる。同社のHALSであるチヌビン、キマソーブ、ユビナールは、ポリマーを紫外線から保護するうえで重要な役割を担っており、フリーラジカルによる劣化を効果的に抑制する。この特性によって、製品の長寿命化を実現できる。

 ポンテッキオ・マルコーニとランパータイムの生産拠点は、世界各地の顧客に製品を提供するHALSおよびNOR HALSの戦略的生産拠点としての役割を持つ。同社は最高品質の製品を効率よく生産するために、周辺インフラを含む生産能力の拡大に継続的に投資している。

 

ドイツのランパータイムの生産拠点

ドイツのランパータイムの生産拠点

イタリアのポンテッキオ・マルコーニの生産拠点

イタリアのポンテッキオ・マルコーニの生産拠点

 

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