ランクセスは3月30日、同月23日付で無機顔料の価格を世界的に改定し、以降の出荷分より即時に適用されると発表した。
具体的には、ドイツのクレフェルト・ユルディンゲン拠点で製造される酸化鉄顔料には1t当たり400ユーロ、ブラジルのポルト・フェリース拠点で製造される酸化鉄顔料には1t当たり200ユーロの追加料金(または各国通貨での相当額)がそれぞれ適用される。さらに、無機顔料ビジネスユニットでは、酸化クロムの価格についても今後の見積もり額を調整する。
今回の同社の価格改定は、特に、生産と物流に多大な影響を与える前例を見ない厳しい課題に直面していることによる。前年度と比較して、エネルギー価格は著しく高い水準にあり、特にウクライナでの戦争により、今年度末まで高値で不安定な状態が続くと予想される。原材料や輸送能力の大幅な不足とコストの上昇も、さらなる負担増の要因となっている。
同社の無機顔料ビジネスユニットは、世界最大の合成酸化鉄顔料のメーカーであり、酸化クロム顔料の有数のメーカーとして知られる。これらの製品は数十年にわたる実績を持ち、建材、塗料・塗装、プラスチック、紙などの着色剤として提供されている。高い着色力を持つランクセスの無機顔料は、持続可能な厳しいガイドラインに基づいて製造されている。