立派なクラレパーソンに クラレが入社式開催

2022年04月05日

ゴムタイムス社

 クラレは4月1日に入社式を開催し、川原仁社長が新入社員を前にあいさつを行った。

 まず川原社長は、「当社の創業者である大原孫三郎は『社会から得た利益は、社会に還元する』という基本理念から、会社の経営基盤を固めつつ、様々な社会福祉活動や公共的な事業を行った。第 2 代社長である大原總一郎もこれを受け継いで『企業が得るべき利潤は技術革新による利潤、社会的、国民経済的貢献に対する対価としての利潤に限る』という理念を掲げ、それを実現するために、独自の卓越した技術にこだわって、様々な困難を乗り越えて数々の事業を立ち上げ、会社を発展させた。創業から 100 年近くの時を経た現在においても、創業者の精神と理念がしっかりと根付いており、それがなお色褪せずに受け継がれている会社は、そう多くはない。昨今、世界の潮流として企業の社会的責任や、社会貢献への姿勢が問われているが、当社には長きにわたってそれを体現してきた歴史がある。言葉やスローガンだけでなく、実績としてそれを積み上げてきたことが、当社の真の強みだ。これからはクラレグループの一員として、共にこの素晴らしい企業資産を引継ぎ、益々発展させるという目標に向かって一緒に考え、協力して進もう」と述べた。

 次に、「会社に入り、まず一番大事なことは、良い身体の状態を保つこと、健康であることだ。これは皆さん自身が幸せな生活を送り、働き甲斐を感じて質の高い仕事をすることにつながる基本だ。バランスの良い食事を心掛けること、十分な睡眠と休息をとること、適度な運動を続けること、心のリフレッシュを意識することなど体調がすぐれないと仕事で集中力を欠いてしまう、能率が上がらない、事故を起こしやすい、といったことにも繋がる。常日頃から健康管理に十分に留意するようにしてほしい」と健康管理の重要さを説き、「社会人として、それぞれが立派なひとりの大人であることを常に心掛けて欲しいと思う。社会の一員として基本となる倫理観、道徳心、自立性などは当然身に付けなければならないが、その上で個人としての人格を確立して欲しいと思う。毎日心掛けていれば、何年かの積み重ねで必ず自分の『芯』がしっかりと形成されていく。ある程度の変遷を経ながらも、社会や人生に対する自分の『価値観』が定まってくるだろう。自分の『価値観』が定まってくると、それが自らの考え方や行動への自信にも繋がり、相手を敬う心を持つことが出来、ひいては組織やチームの中でリーダーシップを発揮する能力も醸成される。立派な社会人であり、かつ、立派なクラレパーソンであることを心掛けてほしい」と社会人として持つべき心がけを促した。

 続いて、仕事に取り組む際に大事だと考える、次の3つの心構えを示した。

 1つ目は「分からないことは、遠慮せずに周りの人や先輩、上司に聞く」ことだし、「初めて取り組む仕事に対して最初から分かった振りをせず、恥ずかしがらずに謙虚に教えを請うという姿勢が大切だ。入社して最初は『何を知らないのかさえ分からない』状態であると思う。会社の仕組みや仕事の全体像、背景が分からないので、『何と何を知らないのか、さえも分からない』のだから、とにかく分かるまで聞く事だ。そして勿論、聞いて教わったことはしっかり覚える努力をしてほしい」と説明した。

 2つ目は「与えられた仕事や役割で、ベストを尽くす」ことだし、「実際に職場に配属されると、それまで想像していた仕事のイメージとは違う事は往々にして有る。しかしながら、与えられる仕事は、今後のキャリアを見据えて、その時点での習熟度を勘案しながら、上司が良く考えた末に用意されるものだ。会社や仕事の全体像が分からない中で、自分の目先に与えられた業務だけで判断して、不満を抱いたり、やる気を無くしたりすることが無いようにしてほしい。全ての仕事には必ず意味がある。与えられた仕事や役割に対し、少なくとも 1、2 年は真摯に取り組んでみることが大切だ。小さな一つひとつの積み重ねが、結局は後になって自分の力となっていることが多い。社会人として、クラレパーソンとして成長することを助ける心掛けとして「受け容れる心」を持つことを勧める。受け容れる、には二つの意味があり、ひとつは、自分に起こる出来事を受け容れること。もうひとつは、今の自分を受け容れることだ。受け容れることで、徐々に大きな器となっていく。どんな仕事にも真摯に向き合い、受け容れ、誠実に取り組んで結果を出すことで、周りの人は皆さんへの信頼を高める。そうすることで、次にはもう少し大きな、重要な仕事を任せてもらえるようになる」と続けた。

 3つ目には「自己研鑽を続ける」ことを挙げ、「学校を卒業したから勉強は終わりと考えるのではなく、会社に入り、これからが勉強だと考えて欲しい。世の中、世界には我々の知らないことが山ほどあり、毎日新しい事も起こり、変化の連続だ。どのような職務に就いたとしても、世の中の動きや社会の課題と無縁で居られるということはない。社会人としての基本的な教養を身に付けるためにも、、色々な本を読んだり、他人の話を良く聞いたり、外部の講習や研修に積極的に参加したりして、見聞を広め、知見を深め、考える力を養ってほしい。中でも、出来るだけ多くの本を読むことは、手軽に続けられることなのでお勧めする。社会人として自分が将来成長していくためには、向上心を持って地道な努力をすることが欠かせない。自己研鑽への投資は、一番確実に自分にリターンをもたらす投資だ。将来、無駄になることはないので、是非意識をして自分を高める努力を続けてほしい」と話した。

 最後に川原社長は「集合研修を終えた後、国内の事業所でそれぞれ現場実習に入る予定だ。各事業所では、クラレグループの行動原則としての『安全はすべての礎』という方針を、繰り返し見たり聞いたりすることになると思う。何故『安全はすべての礎』なのか、クラレグループの事業活動で一番大切な行動原則のひとつをしっかり勉強し、理解に努めてほしい。そして、実習を終えてそれぞれの部署に配属される時には、全員が安全について高い関心を持ち、その後の仕事の中でさらにそれを深めて、自分自身の行動に結びつけてもらうことを強く望む」と締めくくりスピーチを終えた。

 

あいさつに立つ川原社長

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