公益社団法人全日本トラック協会は、国土交通省と連携し、燃料費など輸送上昇分の運転転嫁に対して、協議なく不当に据え置く「燃料価格転嫁(買いたたき)」に係る荷主向けの周知や、トラック運送事業者向けに情報提供の要請を実施している。
現在、トラックの燃料である軽油の価格が高騰し、トラック業界の経営に大きな影響を及ぼしている。軽油価格が1リットル当たり1円上昇すると、トラック業界全体で154億円の負担が増すという。
軽油の価格の高騰につては、令和2年11月が114・2円/リットルに対し、令和4年3月22日が154・3円/リットルと約40円上昇している。この上昇分は、約6160億円の負担が増加したことになるという。燃料を多く使用する長距離輸送を行う事業者ほど、影響は大きいのが現状だ。
また、業界の99%以上が中小・零細事業者であるため、荷主に対し燃料高騰分の転嫁をお願いをしても収受できないケースが多いという。
現下の燃料価格をはじめとした原材料価格高騰で、厳しい環境を強いられている業界に対して、政府は取引事業者全体のパートナシップにより、労務費や原材料費、エネルギーコストの上昇分を適切に転嫁できる環境を整備するため、昨年12月27日に「パートナシップによる価値創造のため転嫁円滑化会議」を開催した。また「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」を策定した。
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