バンドー化学は4月1日、神戸市本社事業所において、22年度の入社式を開始した。入社式には新入社員34人が出席し、植野富夫社長が新入社員に激励の言葉を送った。
なお、新型コロナウイルス感染状況を受けて昨年度に引き続き、出席者同士が密集しないよう、席の間隔に余裕を持たせて配置するとともに、式典の内容を簡素化した。
植野社長は初めに「34名の皆さんをバンドー化学へお迎えできた事を大変嬉しく思う。新型コロナウイルスの感染拡大も予断を許さない状況だが、ロシアのウクライナ侵攻など、地政学的なリスクが一段と高まっており、私たちを取り巻く環境は、予想もできない事案が次々に起こっている。このような社会の変動性、不確実性、複雑性は、もはや常態化していると言っても過言ではない。そうした時代にあって、私たちの会社は、創業100年を超え、次の100年に向けての変局点にいる。諸先輩方が培った伝統とノウハウを大切に受け継いでいく一方で、新しく変革する事が求められている。皆さんは、変局点の主役として光り輝き、当社の次の100年先を照らし続けてくれるものと大いに期待している」と話した。
また、新入社員に是非心掛けてほしいこととして次の2つを紹介した。
植野社長は一つ目に「謙虚に学び、基本を大切にする事」を挙げ、「全ての物事には必ず基本がある。もちろん皆さんが学校などで勉強してきた知識や経験を持っている事は承知しているが、当社で仕事をし、禄をはむという事は当社の仕事の仕方や仕組み、ルールを学び、理解した上で仕事をする事になる。仕事をする上での基本的な知識は、OJTや座学などで働きながら学ぶ事になるが、これらの基本を謙虚に学び、しっかり腹に落として理解し、身につけてほしい。慣れると基本を疎かにしてしまいがちだが、そうした仕事は決して質の良い出来栄えにはならない。基本に忠実で正しい行動・動作を積み重ねる人は上達も早いと感じる。スポーツ界でも芸術界でも、一流と言われる人ほど基本を大切にするものとよく言われるが、私は、皆さんにも本物の一流のプレイヤーになって欲しい。当社は、ものづくりの会社なので、工場の現場では、基本の動作は自分の命を守ることにつながる。謙虚に学び、基本に忠実に仕事をする事を必ず身につけて、社会人としての習慣としてほしい。これらの仕組みやルールは、経験や工夫を積み重ねて作り上げたもなので、大事に守らなければならない一方で、時代の変化に即して変えていかねばならないものもある。自分の持ち場立場で、その仕事の目的や自分の役割を理解し、より有効で効率的な仕事の仕方を考え、改善提案する事も重要になる」と話した。
2つ目には「困難や失敗があってもチャレンジし続ける、その心を鍛えるという事」を挙げ、「我々を取り巻く環境は、カーボンニュートラルやSDGsへの取り組み、あるいは、百年に一度の変換期と言われる自動車産業の技術イノベーションなど、今、まさに大きな変換点を迎えている。当社もこうした環境の変化に対して、いかにビジネスの新しいモデルを作っていくか、いかに働き方を変えて、こうした変化に対応していくかが問われている。当社は今、次代に向かって「新事業の創出」や「働き方の改革」に取り組んでいる。皆さんには、十年後、二十年後を見据えて、新しい発想のもとに柔軟に、常に高い目標に向かってチャレンジする挑戦者であって欲しいと願っている」と話した。
最後に、「先ほども話したように、変化の激しい時代だ。今後、仕事で困難な場面に直面する事も多くなってくると思う。しかし、そこで諦めて、立ち止まっていても、時間の流れは止まってはくれない。むしろ事態は悪化するかもしれない。皆さんも、これからの会社生活において、仕事の重圧に押しつぶされそうになったり、失敗したりする事もあるかと思う。しかし、それでも心を燃やして、またチャレンジする事こそが大事であり、日々、その心を鍛え続けてほしいと思う」とエールを送り、あいさつを締めくくった。