新年度が始まった4月1日、多くのゴム企業で22年度入社式が行われた。引き続きコロナ禍での入社式開催となるなか、ゴム企業トップから新入社員に発せられたのは、激変する環境下でも、挑戦する、変化を恐れない、夢を持ち続けるなど前を向いた言葉が目立った。
住友ゴム工業の山本悟社長は新入社員58人を前に「コロナ禍や現在のロシアによるウクライナ侵攻など、予期せぬことが起こり、変化の激しい環境の中だからこそ、ブレない共通の指針として住友ゴムの企業理念『Our Philosophy』を大切にして、変化に対応できるよう変わっていかなければならない。自らが新しいことに挑戦しイノベーションを起こしていこうという想いを大切にしてほしい」などと挨拶した。
横浜ゴムの山石昌孝社長は、仕事をする上で重要と考えていることとして『安全とコンプライアンス』『常に自分事として考えること』の2つを挙げた。このうち、常に自分事として考えることでは「これからの100年は時代と共に変化する課題の連続。自分事として本質を捉えた仕事をし、課題がより深掘りされ、変化にも対応できる。皆さん自身の学びも大切だ。会社における学びとは成果につながることが重要になる。深い知識を持ち、課題に執着してやり切るプロの人材を目指してほしい」と鼓舞した。
TOYO TIREの清水隆史社長は、当社グループの一員として、新たな挑戦を始める新入社員にお願いしたいこととして、①新しい挑戦を恐れず、そのために原理原則をしっかり学ぶこと、②お客様に誠実にそして期待を超えること、③主体性を持ち連携を大切にするということの3点を示した上で、「この3点は皆さんの先輩方にも入社時に伝えており、それぞれ働くうえで意識してほしい普遍的なものであり、どんな時も心に留め置いてほしい」と語った。
豊田合成の小山享社長は、CASEなど車の進化に対応した製品開発やカーボンニュートラル実現、SDGs達成に向けた取り組み、ウィズコロナ時代に適応した働き方の変革が求められるなか、一人ひとりへの期待を込め、①安全と健康②チャレンジを通じた成長③チームワークの3つを大事にしてほしいと激励した。
バンドー化学の植野富夫社長は「ロシアのウクライナ侵攻等、地政学的なリスクが一段と高まり、私たちを取り巻く環境は予想もできない事案が次々に起こっている。当社は創業100年を超え、次の100年に向けての変局点にいる。諸先輩方が培った伝統とノウハウを大切に受け継いでいく一方、新しく変革することが求められる。皆さんは変局点の主役として光り輝き、当社の次の100年先を照らし続けてくれるものと大いに期待している」と激励した。
三ツ星ベルトの池田浩は「50年後、100年後も持続可能な会社であり続けるには、変化のスピードに後れをとらないよう、会社も変わっていかなければならない。過去の成功体験にとらわれず、事業運営や技術開発においても、大きな変革が求められる。これらをやり遂げるには皆さんの新しい感性や発想、そして皆さんの新しい風を吹き込んでほしい」と語った。
ニッタの石切山靖順社長は「一人ひとりの活動が当社グループ全体の理念の達成に繋がる。皆が生き生きと、働き甲斐のある夢の持てる会社にしていこう。すべての行動のもとになるのが心と体の「健康」、もう一つは職場での「安全」だ。この「健康と安全」の2つは、どのような時でも最も優先されるべき重要なこと。このことは是非深く心に刻み心掛けてほしい」と話した。
日本ゼオンの田中公章社長は125人の新入社員を前に①夢を持ち続けること、②会社を変える、ゼオンを変えること、③健康であり続けることの3点をお願いし、夢を持ち続けることは、夢やありたい姿を真剣に追い求めるとすべてが変わる。夢を持ち続け、夢の実現に向けて真剣にチャレンジを続けてほしいなどと訓示した。
東ソーの桒田守社長は「東ソースピリットの挑戦する意欲、冷たい状況認識、熱い対応、継続する意志、協力と感謝の5つ理想を目標に、自らを成長させてほしい」と語り、桒田社長が入社した1984年の入社式での言葉を踏まえ「会社は仕事の場、跳躍するチャンスは提供するが、それをいかに活かすかは皆さん次第ということ」と激励した。
2022年04月11日