増収も原料高騰等で3社減益に 自動車部品5社の22年3月期

2022年05月25日

ゴムタイムス社

 自動車用ゴム部品メーカー5社の22年3月期決算が出揃った。半導体不足による影響はあるものの、コロナ影響で落ち込んだ前期と比べて自動車生産し回復した。売上高対前年同期増減率を公表していないフコクを除いた4社はいずれも増収となった。一方、原材料価格の高騰や経費増などが響き、豊田合成、住友理工、西川ゴム工業の3社は減益となった。
 ◆豊田合成
 売上収益が8302億4300万円で前期比15・1%増、営業利益は341億7200万円で同6・3%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は233億5200万円で同29・8%減となった。半導体不足等による顧客の減産はあったものの、前期のコロナによる減産からの回復やLED関連ビジネスの拡販等により増収となった。利益は増販効果はあったものの、原材料価格の高騰や自動車の生産量変動に柔軟に生産対応できなかったコスト負担等により、営業利益は減益となった。

 ◆NOK
 シール事業の売上高は3361億8900万円で同14・7%増、営業利益は354億8200万円で同53・0%増となった。自動車向けは、半導体等の部品供給不足に加え、東南アジア地域におけるコロナ感染再拡大の影響はあるものの、需要の回復幅が大きく、販売は増加。一般産業機械向けにも、建設機械をはじめ、工作機械、ロボット等の市場が好調を維持し、販売は増加した。
 ◆住友理工
 自動車用品の売上高は3868億4300万円で同12・4%増、事業利益は20億1400万円で同59・5%減となった。新型コロナウイルス感染症拡大の長期化やサプライチェーンの混乱による自動車の減産影響があったが、多くの地域で前期と比べて主要顧客の生産台数が増加したことや円安の進行による為替換算の影響により、増収となった。一方、事業利益は売上が増加したものの、主に北米、中国等で原材料価格や物流費高騰などの影響を受け、減益となった。
 ◆西川ゴム工業
 売上高は845億300万円で前期比5・3%増、営業利益は24億7300万円で同47・8%減、経常利益は35億9800万円同40・2%減、四半期純利益は21億500万円で同22・0%減となった。地域別では、日本の売上高は437億6700万円で同1・5%減、営業利益は9億2900万円で同35・1%減。北米の売上高は234億2100万円で同16・6%増、営業損失は17億7900万円(前期は営業損失4億5400万円)などとなった。
 ◆フコク
 売上高が715億400万円(前年同期は632億1400万円)、営業利益が17億4900万円で前期比152・4%増となった。半導体の供給不足による自動車メーカーの生産調整、原材料費や輸送費及び燃料費の上昇など、企業経営に対する圧迫要因も発生したが、各国の経済活動の制限緩和等により、受注も回復傾向にあり、増収となった。利益面では増収に加え、グループ全体の体質強化や生産体制改善の取り組みの継続などにより、増益となった。セグメント別では、機能品事業の売上高は263億3400万円で同19・1%増、セグメント利益は、8億2400万円で同25・7%減。ホース事業の売上高が43億7700万円で同24・3%増、セグメント利益は9400万円(前年同期は1億5500万円の損失)となった。

 

 

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