ベルト3社の22年3月期決算が出そろった。自動車用が半導体不足による顧客の生産調整などの影響を受けたものの、一般産業用は国内外で大きく増加した。利益面は原料高の影響がある一方、販売増加が寄与し3社とも大幅な増益となった。
◆バンドー化学
売上収益が937億4400万円で前期比15・2%増、コア営業利益は58億8000万円で同19・1%増、営業利益は26億6500万円で同50・4%減、当期利益は12億1100万円で同69・3%減となった。 セグメント別では、自動車部品事業の売上収益は418億2900万円で同19・6%増、セグメント利益は27億4100万円で同14・9%増となった。国内は積極的な営業活動により補修市場向けに品揃えを拡大したことに加え、主要顧客である自動車メーカー向け補機駆動用伝動ベルトおよび補機駆動用伝動システム製品の販売が増加した。
海外は、中国で主要顧客の生産台数の増加や補修市場への拡販により補機駆動用伝動ベルトなどの販売が伸長した。また、米国、欧州およびアジア地域でも販売が増加した。
産業資材事業の売上収益は333億100万円で同10・2%増、セグメント利益は26億8800万円で同20・1%増。一般産業用伝動は国内では民間設備投資の増加により産業機械用伝動ベルトの販売が増加したことに加え、農業機械用伝動ベルトの販売も増加。海外は中国、アジア地域で農業機械用および産業機械用伝動ベルトの販売が増加。米国および欧州では産業機械用伝動ベルトの販売が増加した。運搬ベルトは、国内において樹脂コンベヤベルトの販売が増加した。
◆ニッタ
売上高が837億3400万円、営業利益は53億3700万円で同86・5%増、経常利益は131億9300万円で同123・2%増、当期純利益は104億8900万円で同122・1%増となった。
ベルト・ゴム製品事業の売上高は259億1500万円、セグメント利益は36億5500万円で同94・8%増。国内は物流業界向けが好調に推移し、工作機械向けも回復傾向となった。海外は物流業界向けや繊維業界向けなどが好調だった。
◆三ツ星ベルト
売上高が748億7000万円で前期比15・4%増、営業利益が76億4000万円で同53・8%増、経常利益が85億5200万円で同48・5%増、当期純利益は63億8000万円で同56・9%増となった。
国内ベルト事業の売上高は277億7400万円で同12・1%増、営業利益は71億9200万円で同51・0%増。
自動車用ベルトは、半導体不足による顧客の生産調整があったものの、システム製品の拡販などから組み込みライン用の売上高が増加するとともに、中古車需要が旺盛であったことから補修市場向けの売上高も増加した。
一般産業用ベルトは、射出成形機やロボット業界向けの販売が好調に推移するとともに、農業機械向けも政府補助金の効果などから売上高が増加した。
搬送ベルトは食品業界向けの需要回復に加え物流業界向けも好調に推移し、売上高が増加。合成樹脂素材は市況の回復に伴って樹脂素材の売上高が増加した。
海外ベルト事業の売上高は364億8800万円で同23・2%増、営業利益は38億4700万円で同40・7%増。海外ベルト事業では、コロナの影響が大きかった前年度と比較して、アジアや欧米のいずれの地域においても売上高が大きく回復した。自動車用ベルトは米国ではスノーモービルや多用途四輪車向けの販売が期間を通じて好調に推移し、四輪車用も補修市場の拡販により売上高が増加。東南アジア・中国でも二輪車用の売上高が大幅に増加。一般産業用ベルトはアジアや欧州において補修市場の拡販により、売上高が増加した。