豊田合成は4月13日、自動車部品のライフサイクル(原材料調達、生産~リサイクル・廃棄)でのCO2削減に向け、植物を原料とした「セルロースナノファイバー」(CNF)を配合したCNF強化プラスチックを開発したと発表した。
CNFは、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度という特長を持つ。プラスチックやゴムに配合して補強材として用いると、製品の薄型化・発泡成形が容易となるため「軽量化」につながり、自動車においては走行時のCO2削減に寄与する。また、廃車後に材料を再利用する際、加熱して溶かしても強度が低下しにくいため、自動車部品への「リサイクルが可能」となる。さらに、焼却しても原料の植物が育った際に吸収した分のCO2しか発生せず、「CO2総量が増えない素材」といえる。脱炭素・循環型経済を目指す上で有効なCNFの特長を生かすべく、同社は製品の環境性能を高められる材料開発を進めていく。
今回同社が開発したCNF強化プラスチックは、車の内装や外装に使われる汎用樹脂ポリプロピレンにCNFを20%配合させている。実用化に向けては、CNF配合時の耐衝撃性の低下が課題だったが、材料の配合設計や混練技術などを用いて自動車部品に活用できる水準に高めた。同社は今後、CNF素材メーカーなどとも連携し、コスト低減などを進めていくとしている。