住友化学、22年10月めどに カプロラクタム事業を撤退 

2022年04月15日

ゴムタイムス社

 住友化学は4月15日、愛媛工場(愛媛県新居浜市)にあるナイロンの原料となるカプロラクタムの製造設備を2022年10月をめどに停止し、同事業から撤退すると発表した。
 同社は1965年に液相法と呼ばれる製法によるプラントの操業を愛媛工場で開始して以降、50年以上にわたりカプロラクタム事業を行ってきた。その後、中国を中心にカプロラクタムの製造設備が世界的に増加したことから、2015年に液相法プラントを停止し、硫安を出さない製法の気相法プラントで生産を続けてきた。その間も、技術の改良やコスト削減を続けてきたが、同事業を継続していくための競争力を将来にわたって確保することは困難との判断に至り、同事業から撤退すると決断した。
 なお、カプロラクタムの中間原料であるシクロヘキサノンは、今後も堅調な事業環境が見込まれることから、製造販売を継続していく。愛媛工場では、カプロラクタムの生産を終了するが、市場変化に合わせた取り組みを積極的に行っている。2018年に飼料添加物メチオニンのプラントを増設したほか、半導体用高純度ケミカルやスーパーエンジニアリングプラスチックスの一つである液晶ポリマー(LCP)のプラント建設に着手している。また、カーボンニュートラルの時代に対応するため、アクリル樹脂のケミカルリサイクルの実証設備を建設中であるほか、同工場構内にLNG基地を誘致し、インフラの再構築も行っている。愛媛工場のカプロラクタムプラント生産能力は85千トン年、プラント操業開始は2003年6月となっている。

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