積水化学工業は4月14日、同社の100%子会社で、合わせガラス用中間膜の製造・販売を手掛けるSEKISUI S―LECの原料樹脂生産工場(オランダ原料工場)は、外部から購入する電力を2022年より、すべて再生可能エネルギーに転換したと発表した。
同社グループは、2030年度までの長期ビジョン「Vision2030」において、「『Innovation for the Earth』サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、『未来につづく安心』を創造します」をビジョンステートメントに掲げ、社会の持続可能性向上と同社グループの利益ある成長の両立を目指すESG経営に注力している。
2021年末日時点で、100%再エネ由来の電力に転換した事業所は国内外に18拠点あるが、2030年までには、グループ内すべての生産拠点ついて、外部から購入する電力を100%再エネ由来に転換することを目指している。
中間膜は、ガラスの貫通・飛散防止や紫外線カットのため、自動車や建築用の合わせガラスに使用されているフィルムで、同社では基本機能に加え、遮音・遮熱・ヘッドアップディスプレイ対応などの機能を付与した高機能中間膜の開発・販売に注力している。中間膜事業は、同社モビリティ分野の中核事業となっている。
中間膜事業では、製品軸での環境負荷低減に加え、グローバルに展開する7工場のうち5工場に太陽光発電設備を設置して消費電力の一部を賄うなど、同社は生産拠点においても積極的に脱炭素への取り組みを進めてきた。
中間膜事業では、主な顧客であるガラスメーカーや、社会からの要請が強い欧州から脱炭素の取り組みを開始し、グローバルでの調達エネルギーのグリーン化を目指している。
SEKISUI S―LECの生産(製膜)工場がいち早く取り組みを進め、2020年4月に購入電力の再エネ100%調達を実現しており、今回のオランダ原料工場における購入電力の再エネ転換で、同社すべての工場が購入電力の再エネ100%調達を実現することとなった。