東レは4月20日、高い粉じん防護性および耐水性と通気性を両立する生地を用い、さらに縫い目部分にシームテープを付けて製品の耐水性を高めることで、「JIS T 8115化学防護服タイプ4」(スプレー防護用密閉服)に適合する防護服「リブモア4500AS」を開発したと発表した。2022年5月9日から日本国内向けに販売を開始し、2022年度に年間5万着、2025年度に年間50万着の販売を目標とする。
同製品は、耐水性と通気性を両立する生地を用い、縫い目にシームテープも付けることで、「JIS T 8115化学防護服タイプ4」に適合する安全性と快適性を両立させることに成功した。
同製品の生地は、同社が2021年に開発したもので、緻密性の高い特殊耐水層(メルトブロー不織布)を、耐久性の高いスパンボンド不織布で挟み込んだ3層構造となっている。特殊耐水層の不織布を極めて緻密な構造に制御することにより、粉じん防護性に加え、従来のSMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンドの3層不織布)製法では難しかった耐水圧1000mmH2Oを実現しながら、約7cc/cm2・secの通気性を併せ持つ。また生地には帯電防止機能を付与している。
「JIS T 8115化学防護服タイプ4」に適合しながら約7cc/cm2・secの通気性を持つ防護服は世界初(同社調べ)となる。同製品は廃棄物焼却施設でのダイオキシン類対策や製造設備の大規模定期修繕作業など耐水性を必要とする作業現場をはじめ、化学プラント、メンテナンス、汚れ作業、アスベスト除去など、さまざまなシーンで使用できる。
リブモアは2017年に発売以来、粉じん防護用、感染対策用、クリーンルーム用(滅菌仕様)などの多岐にわたる用途に向けて商品ラインナップを拡大してきた。同社は、引き続き快適性と機能性を両立した製品を開発し、さまざまなニーズに対応していくとしている。