ブリヂストンは4月21日、東京小平市のイノベーション拠点「Bridgestone Innovation Park」内に開設したイノベーションセンター「B―Innovation」とテストコース「B―Mobility」のオープニングセレモニーと内覧会を開催した。
ブリヂストンイノベーションパークは、20年に先行オープンした「ブリヂストンイノベーションギャラリー」と本格稼働を開始した「Bイノベーション」「Bモビリティ」、技術センターなどで構成される複合エリア。同エリアは「社会とパートナー、お客様と共感することから始め、共議・共研、共創へと関係を深め、技術・ビジネスモデル・デザインのイノベーションを加速し、新たな社会価値と顧客価値を生み出すグローバル拠点になる」(同社)。
オープニングセレモニーには、東正浩代表執行役グローバルCOO、坂野真人執行役専務技術・品質経営分掌・グローバルCTOが出席した。冒頭、東グローバルCOOは「3月1日に発表した企業コミットメント『ブリヂストンE8コミットメント』では、当社が皆さまと共創したい価値をお示しした。その価値をどこでどのように作るかという点を具現化したのがイノベーションパークになる」と述べ、「当社が長い年月をかけて温めてきたイノベーションパークに込めた思いを本日披露したい」と挨拶した。
続いて坂野グローバルCTOが新しい施設の概要とともに「ブリヂストンイノベーションパーク」を通じて創出するイノベーション、そして「ブリヂストンE8コミットメント」軸にした共創の枠組みなどを説明した。Bイノベーションは共感を共創へつなぐをテーマに、様々なステークホルダーとシーズやアイデアなどを模索する「共感」、同社のコア技術や商品を実際に見てともに議論する「共議」、デジタルを組合わせた設備を最大活用し共に研究開発を行いアイデアを形にする「共研」、様々なパートナーと新たな価値を創造しビジネスにつなげる「共創」の場。Bモビリティはパートナーと開発した技術や商品のプロトタイプを実車を使ってすぐに体感、検証できるテストコースだ。坂野氏は「BイノベーションとBモビリティを最大活用することで、生み出したアイデアをすぐ形にしてすぐ試すを繰り返す、よりアジャイルな開発を進めていく」と強調した。
ブリヂストンE8コミットメントでは、共感から共創へ具体的な取り組みとして①コアコンピタンスを結集する共創、②新たな仲間との共創、③人類の夢を背負った共創、④探索事業における共創の4つの共創を紹介。コアコンピタンスを結集する共創では、様々なタイヤの使用環境、使用条件を熟知し、接地を究めるコア技術とデジタルを駆使した材料、タイヤ製造、製造シュミレーションを組わせさらに進化させる。
探索事業での共創では、グアユール事業、ソフトロボティックス事業、リサイクル事業などでパートナー企業と共創中だ。リサイクル事業では、その一例としてENEOSと共創を進める使用済タイヤのケミカルリサイクル技術を紹介。「両社のコアコンピタンスと強みを融合させることで、使用済タイヤのケミカルリサイクル技術の社会実装に向け2030年までに大規模実装実験を実施し、早期事業化を目指す」(坂野氏)と話した。(内覧会の様子は次号で紹介)