ゴム・樹脂手袋特集　エステー　付加価値と社会課題解決の両軸で開発　「指先抗ウイルス加工」が好評

　　エステー（東京都新宿区、鈴木貴子代表執行役社長）は、家庭用手袋の「ファミリー」ブランドで手袋事業を展開している。家庭用手袋は、ノンディスポは一時品薄となったディスポの代替需要により、20年度は売上が大きく伸びた。ただ、21年度（21年４～12月）は特需が落ち着き、売上は前年度を下回る状況にある。
　ディスポ（使いきり）の販売も緩やかになっている。原材料価格の乱高下を受け、21年４月に値上げを実施する一方、同年10月は適正価格へ戻すべく値下げを実施。ただ、昨今の社会情勢などでニトリルゴムを中心に原材料価格が再上昇しており、「先行きは非常に不透明」（同社）との見方を示す。
　現在注力する手袋は、「ファミリー ビニールうす手 指先抗ウイルス加工」「ファミリー プレミアムプロテクト ビニール中厚手 ブラックシフォンピンク」「ファミリー プレミアムタッチ ヒアルロン酸」を挙げる。「ファミリー ビニールうす手 指先抗ウイルス加工」は、ファミリーの特徴である指先強化、着脱スムーズなドライタッチ加工に加え、指先抗ウイルス加工を施し、より衛生的な手袋として21年10月からリニューアル発売した。「ファミリービニールうす手タイプは、当社の基盤商品であり、リニューアルをきっかけにさらに拡販を進める方針」（同社）と述べる。
　「ファミリー プレミアムプロテクト ビニール中厚手 ブラックシフォンピンク」は、手袋全体（外側・内側）の抗菌効果に加え、外側全てが同社独自技術の「抗ウイルス加工」を施した中厚手タイプの手袋。「ツートンカラーを強みとする当社にとって、この商品も外側がブラック、内側にはピンクの2色。手袋全体の二層加工による破れにくさを視覚的に分かり易くするだけでなく、ピンクで可愛らしさも表現している」（同社）。21年10月発売後間もないが、ユーザーからの反響も上々という。また「ファミリー プレミアムタッチ ヒアルロン酸」もコロナ禍で増加した手荒れ対策商品として好調な状況が続いている。ふんわりとした裏毛にヒアルロン酸配合で手肌にやさしく、保温性や着脱性にも優れている。
　商品展開では、高付加価値商品と社会課題の解決の両軸をテーマにした開発を進めており、「抗ウイルス加工の手袋はコロナ禍における衛生対策ニーズに対応した商品」（同社）としている。同社では今後もデザイン性や付加価値を付けた商品ラインナップを強化し、市場活性化を図っていく。

プレミアムプロテクト ビニール中厚手 ブラックシフォンピンク