豊田合成は4月27日、窒化ガリウム(GaN)を用いた次世代パワー半導体(GaNパワー半導体)の開発において、環境省の「令和4年度革新的な省CO2実現のための部材(GaN)や素材(CNF)の社会実装・普及展開加速化事業」に、パナソニック、名古屋大学および大阪大学と共同で選ばれたと発表した。
パワー半導体は、産業機器や車、家電などの電力制御に幅広く使われている。現在、社会全体でのカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーや電動車の電力制御時の電力ロスを低減できる次世代パワー半導体の普及拡大が期待されている。その1つであるGaNパワー半導体の実用化に向け、同社では青色LEDやUV―C(深紫外線)LEDで培ったGaNに関する知見を活用し、産官学連携で開発を進めている。
同プロジェクトでは、同社と大阪大学、パナソニックが開発する、高品質・大口径かつ電気抵抗の低いGaN基板を活用し、「大電力と高速動作を両立」できる縦型GaNパワー半導体素子を開発する。名古屋大学では、これらの素子を用いた高効率GaNインバータを開発、BEVに搭載して実機実証し、産官学でCO2削減効果の検証を進めていく。