三井化学及びマイクロ波化学は5月9日、両社で検討していた環境負荷の低い革新的な炭素繊維(CF)製造に関する基盤技術を確立したことを発表した。
同技術は、CF製造工程中で最もエネルギー消費の大きい耐炎化プロセスに加え、炭化プロセスの両工程を一貫してマイクロ波により焼成する革新的なものだ。従来法と比較し、エネルギー消費量が50%削減され、処理時間も大幅に短縮し、装置をコンパクトにすることが可能となる。また、再生可能エネルギーを使用することでより大幅なCO2排出削減が期待できる。その技術検証をさらに進めるために、実証設備の導入についても検討を進めていく。
両社は今後も、LCA(Life Cycle Assessment)を通してバリューチェーン全体での低炭素化を目指し、モビリティ分野など今後CFが適用される産業においてカーボンニュートラル推進のニーズに応えていくとしている。
2022年05月09日