タキロンシーアイの22年3月期連結決算は、売上高が1419億3600万円で前期比5・6%増、営業利益は86億5100万円で同1・6%増、経常利益は90億8400万円で同3・1%増、当期純利益は66億6000万円で同24・9%増となった。
高機能材事業セグメントは、売上高が216億2500万円で同23・7%増、営業利益は31億4400万円で同74・4%増。高機能材事業は、世界的な半導体需要の拡大を背景に、製造装置向けの工業用プレート、エンプラ材の販売が伸長した。また、電子回路基板向け等へのナノ材料販売も好調を維持した。加えて、欧米を中心に新型コロナウイルス対策の緩和の動きから消費活動の回復もみられ、眼鏡フレーム用アセテート板の販売が増加した。マイクロモータの販売についても、民生用機器向けを中心に高い水準を維持した。
機能フィルム事業セグメントは、売上高が213億5200万円で同9・7%増、営業利益は14億4000万円で同27・4%減。ボンセット事業は、シュリンクフィルムが国内販売および欧米市場において堅調に推移し増収となった。サンジップ事業は、ジッパーテープが日本国内、アジア、欧州を中心に医薬、食品、ペットフードおよびアパレル関係で好調に推移し増収となった。
建築資材事業セグメントは、売上高が444億1800万円で同5・4%増、営業利益は27億1600万円で同31・2%増。住設建材事業の住宅資材および管工機材部門は、新設住宅着工戸数の回復により堅調に推移した。一方、採光建材およびサイネージ部門は、非住宅物件の受注低迷や企業の広告宣伝費の削減等の影響を受け低調に推移し事業全体としては減収となった。床・建装事業は、床部門において、マンション改修物件の受注増により増収となった。建装部門においても、国内市場はコロナ禍影響からの回復がみられ、海外市場は欧州、豪州、北米が好調を持続し、事業全体として増収となった。
環境資材事業セグメントは、売上高が538億7400万円で同1・9%減、営業利益は14億500万円で同39・7%減。アグリ事業は足元の原材料価格高騰を反映した次年度価格改定の公表により、上期同様に期末にも製品値上げ前の駆け込み需要があり増収となった。インフラマテリアル事業は、更生管事業や産業資材関連の販売は年間を通して堅調を維持したが、大型工事物件の長期停止や工事計画自体の変更、豪雨や豪雪などの自然災害の影響が依然として継続しており、全体的には低調な販売により減収となった。
23年3月期の連結業績見通しについては、売上高が1500億円で同5・7%増、営業利益は82億円で同5・2%減、経常利益は84億円で同7・5%減、当期純利益は54億円で同18・9%減を見込んでいる。