横浜ゴムの22年12月期第１四半期連結決算（ＩＦＲＳ）は、売上収益は１８５５億９０００万円で同28・４％増、事業利益は１３６億６８００万円で同２・５％減、営業利益は１３５億３２００万円で同62・７％減、四半期利益は１０１億５６００万円で同63・５％減となった。主力のタイヤ事業で北米を中心とした値上げの浸透や為替円安が寄与し、売上収益は過去最高となった。一方、原材料価格や物流費の高騰、国際物流網の混乱、新型コロナウイルスなどの影響を受け事業利益は減益となった。
セグメント別に見ると、タイヤの売上収益は１６２８億８６００万円で同31・４％増、事業利益は１４０億３１００万円で同10・２％増となった。新車用タイヤは、世界的な半導体不足による生産調整の影響を受けたものの、中国等の販売増もあり売上収益が前年同期を上回った。
市販用タイヤは、国内では「ＡＤＶＡＮ」シリーズをはじめとした新商品の発売、降雪による冬用タイヤの好調な販売に加え、値上げ前需要の取り込みなど、国内外において高付加価値商品の拡販や、旺盛な需要への生産対応に努め、北米やインドなどアジア地域での販売も伸ばし、売上収益は前年同期を上回った。
なお、今期よりＡＴＧについてはＹＯＨＴ（Ｙｏｋｏｈａｍａ Ｏｆｆ‐Ｈｉｇｈｗａｙ Ｔｉｒｅｓ）に名称を変更しタイヤに集約した。ＹＯＨＴは農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤはともに好調で、売上収益は前年同期を上回った。
ＭＢ(マルチプル・ビジネス）の売上収益は２０４億８６００万円で同９・３％増となった。一方、未実現利益の消去に伴い事業損失は２億４２００万円（前年同期事業利益 10億１９００万円）となった。ホース配管事業は、国内外の建機向け油圧ホース販売が好調で、売上収益は前年同期を上回った。
工業資材事業は、海洋商品の需要減少の影響を受けたが、コンベヤベルトの国内販売が好調に推移したほか、航空部品も民間航空機向けの補用品需要回復により、売上収益は前年同期を上回った。
22年度通期業績予想については、前回公表から数値を据え置き、売上収益は７５００億円で前期比11・８％増、事業利益は６００億円で同３・５％減、営業利益は５８５億円で同30・１％減、当期利益は４００億円で同38・９％減を計画している。
