ユニチカの22年3月期連結決算は、売上高が1147億1300万円、営業利益は60億500万円で前年同期比0・2%減、経常利益は63億9900万円で同18・9%増、親会社株主に帰属する当期純利益は22億2300万円で同42・5%減となった。なお、「収益認識に関する会計基準」等を同連結会計年度の期首から適用しており、2022年3月期の売上高については当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、対前期増減率は記載していない。
セグメント別に見ると、高分子事業の売上高は508億3700万円(前期は414億3600万円)、営業利益は66億4500万円で同17・0%増となった。高分子事業セグメントは、同年度に入り需要が戻りつつあり、販売が伸長した。
フィルム事業では、包装分野は販売が堅調に推移した。バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」や、環境配慮型食品包装フィルムなどの高付加価値品の販売が伸長した。工業分野は電気電子分野を中心に販売が伸長し、高付加価値品ではシリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」を中心に着実に販売を伸ばした。一方で、海外子会社において、海上物流の混乱や、海上運賃高騰によるマイナス影響を大きく受けた。この結果、事業全体で増収減益となった。
樹脂事業では、幅広い用途で需要が回復したが、自動車用途においては、国内外の工場休転による生産台数減少の影響により、回復は鈍化した。ナイロン樹脂、ポリアリレート樹脂「Uポリマー」は販売が回復した。高耐熱ポリアミド樹脂「ゼコット」は、自動車用途と電気電子用途で新たに採用され、販売が伸長した。この結果、事業全体で増収増益となった。
機能資材事業の売上高は343億7200万円(前期は296億2800万円)、営業利益は2400万円で同96・9%減となった。機能資材事業セグメントは、同年度後半に建築土木用途の需要が回復したため、セグメント全体で販売は伸長したが、原燃料価格の高騰や、海上物流の混乱の影響を受けた。
活性炭繊維事業では、主力の浄水器用途は、業務用浄水器向けの需要が回復した。また、海外で新規顧客を獲得し、販売を伸ばした。自動車用途、電子産業関連用途においては、半導体不足に伴う生産減少の影響を受け、苦戦した。
23年3月期の通期連結業績予想は、売上高は1260億円で前期比9・8%増、営業利益が55億円で同8・4%減、経常利益が33億円で同48・4%減、純利益は15億円で同32・5%減を見込んでいる。