売上・各利益で過去最高更新 ADEKAの22年3月期

2022年05月16日

ゴムタイムス社

 ADEKAの2022年3月期の連結決算は、売上高が3630億3400万円で前年同期比11・0%増、営業利益は349億2700万円で同20・5%増、経常利益は357億7000万円で同22・2%増、親会社株主に帰属する当期純利益は237億4400万円で同44・6%増となった。

 化学品事業の売上高は2001億1900万円で同13・8%増、営業利益は293億4700万円で同44・2%増となった。
 樹脂添加剤は、自動車向けでは核剤の販売が堅調に推移し、光安定剤の販売は伸長した。
 建材向けでは、北米で住宅内装材の需要が拡大し、塩ビ用安定剤の販売が好調に推移した。また、インフラ用途で重金属フリー安定剤の販売が好調に推移した。
 食品包装・医療用途向けでは、透明化剤等の販売が海外を中心に堅調に推移した。
 酸化防止剤は、上半期に海外での競合品の供給トラブルに伴う需給の引き締まりもあり、販売が好調に推移した。
 難燃剤は、家電筐体に使用されるエンジニアリングプラスチックの堅調な需要に支えられた。また、ポリオレフィン樹脂向けもEV関連他への用途拡大もあり販売が順調に拡大した。
 樹脂添加剤全体では、原料価格高騰の影響を受けたが、価格改定の効果と為替の影響もあり、前期に比べ増収増益となった。

 情報・電子化学品は、半導体向けでは最先端のDRAMに使用される高誘電材料、NAND向け製品の販売が好調に推移した。また、EUVやArFなどの最先端のフォトレジスト向けに光酸発生剤の販売が順調に拡大した。
 ディスプレイ向けでは、液晶ディスプレイ用エッチング薬液、カラーフィルター向け光重合開始剤、光学フィルム向け光硬化樹脂の販売が好調に推移した。
 情報・電子化学品全体では、販売数量の増加と為替の影響もあり、前期に比べ増収増益となった。

 機能化学品では、自動車向けでは、エンジンオイル用潤滑油添加剤やタイヤ用スチールコード伸線潤滑剤、特殊エポキシ樹脂やエポキシ樹脂接着剤の販売が好調に推移した。
 一般工業向けでは、化粧品原料の販売が低調だったが、建築塗料や粘・接着剤向けに反応性乳化剤の販売は国内外で好調に推移した。また、プロピレングリコール類は工業用、パーソナルケア用ともに堅調に推移した。
 機能化学品全体では、販売数量の増加と価格改定の効果に加え為替の影響もあり、前期に比べ増収増益となった。

 23年3月期通期の連結業績予想は、売上高が4060億円で前期比11・8%増、営業利益が370億円で同5・9%増、経常利益が369億円で同3・2%増、純利益が220億円で同7・3%減を見込んでいる。

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