ポリプラスチックスは5月12日、2022年1月に中国江蘇省南通経済開発区南区における新規ポリアセタール(POM)製造会社「大宝理工程塑料(南通)」の設立を発表したが、今回、全出資額の30%について、三菱瓦斯化学の100%出資子会社であるグローバルポリアセタール(GPAC)を介して出資を受け入れることに合意したと発表した。
今回の新会社においては、長年にわたるGPACと同社の信頼関係のもと、生産・運営は、同社グループが担い、これまで長年にわたって蓄積してきた技術と経験を活かし、安全・省エネルギ―のプロセスに基づいた、世界最高品質のPOM製造を実現し、その生産能力はPOMの単独工場として世界最大規模となる15万t/年を計画している。また同社は、同社の保有する省エネルギープロセスと合わせることで、環境に優しくコスト競争力のあるPOMの供給を実現していくとしている。
同社が既に発表している建設計画では、2024年11月に9万t/年の操業を開始(第1期)し、2026年年初までに15万t/年(第2期)の供給能力とする予定であり、両出資会社のブランドで生産を行い、それぞれに製品を供給していく予定となっている。
同社グループはこれまで、アジアを中心にPOMのトップサプライヤーとして、自動車・電気産業を始めとする市場の発展に貢献してきた。2012年以降欧米への販売を開始し、さらなる市場の拡大を続けてきた結果、2014年に稼働を開始したマレーシアのクアンタン工場(9万t/年)の余力も少なくなってきている。そのような背景のもと、アジアの中でも特に需要が高く、成長の著しい中国国内に新たな製造拠点を設けることを決定し、自社が持つ中国国内需要については、この新工場を中心にカバーする体制が整い、クアンタン工場に生じる余力を欧米印等の市場開拓に充てていくことが可能となり、サプライチェーンを含めて供給体制の最適化をより一層高めることが可能となる。