大日精化工業の2022年3月期連結決算は、売上高は1219億3300万円、営業利益は74億4600万円で51・3%増、経常利益は83億1500万円で同48・1%増、当期純利益は61億6600万円で同2・8%減となった。売上高は主に輸送業界向けのコンパウンド・着色剤・ウレタン樹脂及び情報電子業界向けのコーティング剤が好調に推移した。営業利益は需給逼迫による原材料価格の高騰、海運等の物流網の混乱による調達難が継続したが、一部販売価格の見直しを実施し利益の確保に努めたこと、「収益認識会計基準」等の影響を除くと実質的に売上高は大幅な増収であったことから増益となった。
カラー&ファンクショナル プロダクト事業の売上高は702億3200万円、営業利益は49億2900万円で同215・8%増となった。輸送業界向けのコンパウンド・プラスチック用着色剤の売上高は期初よりコロナ禍からの回復が続き、下期以降に自動車生産減産の影響が一部あったが、国内外ともに好調に推移した。情報電子業界向けの顔料及び分散体の売上高は、巣ごもり特需の継続によるディスプレイ用途の伸長及びオフィス事務機器用途の回復により好調に推移した。
ポリマー&コーティング マテリアル事業の売上高は236億300万円、営業利益は33億700万円で同24・3%増となった。ウレタン樹脂の売上高は、輸送機器の内装材料、産業資材用途が好調に推移、また衣料品服飾品向け用途に需要回復が見られる等全般的に好調に推移した。輸送業界向けは、一部で自動車生産減産の影響を受けたが、採用車種の拡大もあり好調。情報電子業界向けのUVコート剤は、ディスプレイ用途が引き続き好調に推移した。
グラフィック&プリンティング マテリアル事業の売上高は280億1600万円となった。原材料価格の高騰及び坂東製造事業所稼働による減価償却費及び生産移管完了までの固定費増加の影響により、営業損失は8億2500万円(前年同期は6億9400万円の利益)となった。包装業界向けのグラビアインキの売上高は、国内は堅調、海外はインドネシア子会社で新型コロナウイルス感染症拡大の影響により低調に推移した。広告出版業界向けのオフセットインキは、夏場の緊急事態宣言による影響により低調に推移した。
23年3月期通期の連結業績予想は売上高が1280億円で同5・0%増、営業利益が52億円で同30・2%減、経常利益が58億円で同30・2%減、当期純利益が38億円で同38・4%減を見込んでいる。
2022年05月16日