全セグメントで増収増益 住友ベークライトの22年3月期

2022年05月17日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの22年3月期連結決算は、売上収益が2631億1400万円で前期比25・9%増、事業利益は264億8900万円で同59・2%増、営業利益は248億8700万円で同25・0%増、当期利益は182億9900万円で同38・6%増となった。
 セグメント別では、半導体関連材料は、売上収益が757億8700万円で同32・3%増、事業利益は165億600万円で同74・9%増。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、世界的な半導体需要の拡大により売上収益は大幅に増加した。既存の顧客・用途での強い需要に加えて、中国での新規顧客開拓やECU向け一括封止材料などの車載用途の拡販が大きく寄与した。更なる需要拡大に備えるべくグローバルな生産能力の増強を実行しており、当年度は2022年初頭に中国で増設した設備が稼働を開始した。今後も2022年中に欧州、2023年には台湾で新たな設備が稼働を開始する予定となっている。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要用途であるメモリー需要が好調で売上収益は大きく増加した。半導体用ダイボンディングペーストについても、旺盛な半導体需要により売上収益は大幅に増加した。また、半導体パッケージ基板材料「LαZ®」シリーズは、5Gスマートフォンの需要増加等で売上収益が増加した。
 高機能プラスチックは、売上収益が922億4400万円で同27・1%増、事業利益は59億3400万円で同70・0%増。工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、コロナ禍の影響が最も顕著だった前年度上半期を底に自動車用途向けが回復した。7月以降は半導体不足などに起因する自動車減産の影響が懸念されたが、アフター市場の下支えもあり大きな影響とはならなかった。また民生用電気部材や銅張積層板などの電子部品向けも堅調に推移したことに加え、原料価格上昇に伴う価格改定の影響もあり売上収益は大幅に増加した。航空機内装部品は、行動制限の緩和など市場環境に明るい兆しは見られたものの、本格的な航空機生産の回復には至っておらず、売上収益は減少した。
 クオリティオブライフ関連製品は、売上収益が944億4400万円で同20・2%増、事業利益が74億2700万円で同12・3%増。医療機器製品は、2020年10月にSBカワスミを同社グループに加えたことにより売上収益は大幅に増加した。バイオ関連製品は、検体保存容器や細胞培養用のプラスチック消耗品が、検査や医薬開発の活発化などによる世界的な需要の増加により売上収益は増加した。また新型コロナPCR検査用部材については、自動製造設備の導入により、感染状況を踏まえた顧客の需要に的確に応えられるような生産と供給に取り組んだ。ビニル樹脂シートおよび複合シートは、半導体需要の拡大により電子部品搬送用のカバーテープや半導体製造工程用のダイシングテープなど産業用フィルムで売上収益が増加した。医薬品包装用途ではジェネリック医薬品メーカー向けが好調を維持し、新型コロナワクチン接種の増加により解熱鎮痛剤の需要も旺盛であったことから売上収益が増加した。ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、売上収益は前期並みとなった。防水関連製品については、住宅向けを中心に売上収益が増加した。
 23年3月期の連結業績予想は、売上収益が2900億円で前期比10・2%増、事業利益は285億円で同7・6%増、当期利益は210億円で同14・8%増を見込んでいる。

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