カネカの2022年3月期連結決算は、売上高が6915億3000万円で前年同期比19・8%増、営業利益が435億6200万円で同58・2%増、経常利益が408億1600万円で同85・0%増、当期純利益は264億8700万円で同67・3%増となった。
セグメント別に見ると、マテリアル・ソリューションズ・ユニットの売上高は2999億円で同30・1%増、営業利益は364億円で同56・3%増となった。
Vinylsは、アジア市場の旺盛な需要拡大が継続、海外市況上昇が収益増に貢献した。
MODは、欧米亜の需要が好調に推移、非塩ビ用途(自動車、PC・家電向け)の販売がグローバルに拡大した。グローバル4拠点を持つ供給体制が力を発揮し、世界的なサプライチェーン混乱のなかでPainをGainに変えた。
MSは、欧米の需要増が継続、アジアの新しい市場(建築用途など)が拡大した。今後の旺盛な需要を見越して、各生産拠点の生産能力増強を急いでいく。
生分解性ポリマー「Green Planet」は、大型能力増強を決定。生産性向上やコストダウンを実現し、次期増設に向けて生産技術を進化させる。 国内は「プラスチック資源循環促進法」が需要の呼び水となり、ホテル、コンビニなどのカトラリーなど引き合いが急拡大した。海外は世界中のブランドホルダーとの大型共同商談が進展した。
クオリティ・オブ・ライフ・ソリューションズ・ユニットの売上高は1691億円で同19・9%増、営業利益は169億円で同59・1%増。
Foamは、EPS、KLFは原燃料高騰の影響を強く受けた。EPOは自動車減産で需要回復が遅延している。「Tack Pack」はワクチン低温輸送でコロナ対応ソリューションとして貢献した。
PVは、住宅向け高効率太陽電池は搭載率アップにより販売が拡大。ZEBの社会実装に適した「発電する窓(シースルー型太陽電池)」「発電する壁(壁面設置型太陽電池)」の需要も加速した。高性能「ペロブスカイト太陽電池」開発へ国の助成金交付が決定した。
E&Iは、スマートフォンや有機ELディスプレイ用のポリイミドフィルム、ワニス、大型TV向けのアクリルフィルム用樹脂の販売が好調。拡大する需要に応えるべく、生産能力増強を検討している。
Fiberは、アフリカ向け頭髪製品の旺盛な需要が継続している。難燃資材向けの需要も回復基調。需要の伸長に対応するため能力増強を検討している。
2023年3月期の連結業績予想は、売上高が7400億円で前年同期比7・0%増、営業利益が480億円で同10・2%増、経常利益が430億円で同5・3%増、当期純利益は280億円で同5・7%増を見込んでいる。