櫻護謨の22年3月期連結決算は、売上高が88億7100万円で前期比11・5%減、営業損失は1億2800万円(前年同期は2億7800万円の営業利益)、経常損失は1億5000万円(前年同期は2億6800万円の経常利益)、当期純損失は9400万円(前年同期は2億3500万円の当期純利益)となった。
売上は消防・防災事業では災害救助資機材やテロ対策資機材などの売上が低調であったことと、航空・宇宙、工業用品事業で、前年度の第3四半期以降、官需大型機向け受注が減少してたことから減収となった。利益面は、期初より見込まれていた減収を考慮し、人件費を中心にコストの抑制に努めてきたが、当期の売上高では固定費を吸収することができず、営業損益、経常損益等の各段階のいずれにおいても、損失を計上した。
セグメントのうち、消防・防災事業の売上高は54億2100万円で同8・8%減、営業利益は1億8000万円で同49・3%減。
消防ホースは第4四半期に販売を伸ばしたものの、原価率の上昇もあり利益面では押し下げ要因となった。特殊車両の販売は、官公庁向けのほか、発電所向け車両改修受注により増加したが、救助資機材の販売は低調に推移した。
航空・宇宙、工業用品事業の売上高は29億4600万円で同17・7%減、営業損失は1億500万円(前年同期は営業利益1億5500万円)となった。
航空・宇宙部門では、官需大型機向けエンジン並びに機体配管用の部品など金属加工製品の販売減少に加え、コロナ禍以前に受注していた民間航空機向けゴムシール材などの受注を消化し、販売が大きく減少した。工業用品部門では、顧客メンテナンス計画の動向や、一部の材料で入手が困難な状況となっていることからタンクシールの販売が減少したものの、子会社における金属加工品の販売は顧客の設備投資が高水準で推移したことから増加した。利益面では、売上高の減少により固定費を吸収することができず、営業損失の計上となった。
23年3月期の通期業績予想は、受注の回復及び収益性の改善を見込んでおり、売上高が95億円で同7・1%増、営業利益が1億7000万円、経常利益が1億5000万円、当期純利益は9000万円を見込んでいる。
2022年05月18日