旭化成は5月12日、合成ゴム・エラストマー製品(商品名「ジエン」「タフデン」「アサプレン」「タフプレン」「アサフレックス」「タフテック」「S.O.E.」)のカーボンフットプリント(CFP)を算出するシステムを開発したと発表した。
なお同社は、同システムの一部に同社グループ共通のデータマネジメント基盤「DEEP」を活用し、CFPの可視化を実現している。可視化した情報を基に同社内でのCFP低減方法の検討や、今年6月より顧客へのCFPデータの提供を開始する。
同社グループは、前中期経営計画において持続的成長に向けた基盤強化をGreen/Digital/Peopleの視点で取り組んできた。今年4月に発表した中期経営計画においても「グリーントランスフォーメーション」を経営基盤強化のための重要テーマの一つと位置付けており、カーボンニュートラルの実現に向け、自社のGHG排出量の削減と、社会のGHG排出量削減への貢献を目指している。そのため、GHG排出量の観点で主要な製品を中心に、製品ごとのCFPの算定を順次進め、既に一部の顧客に情報を提供し始めている。
同社の合成ゴム・エラストマー製品では、省燃費型高性能タイヤに主に用いられるS―SBR(溶液重合法スチレンブタジエンゴム)において、廃プラスチックおよびバイオマス由来のブタジエンを原料とする取り組みを開始するなど、事業のグリーントランスフォーメーションを強力に推進している。
同システムによって、同社は各合成ゴム・エラストマー製品のCFPを明らかにし、それを組み込む顧客の製品CFP算定を支援する。また、CFPデータの提供を通じて、顧客と共にサプライチェーン全体、ひいては社会全体のCFP低減活動を推進していく。
炭素税などCFPに関する制度が広く導入されていく中で、各制度に応じた水準のCFPデータの把握がより重要になってくる。同社の同システムは、算定するCFPデータの粒度(年別、月別)や範囲(製品全体の平均、製品別)を自由に変更可能で、合成ゴム・エラストマー製品に対する顧客の多彩なニーズに応えることが可能となる。