昭和電工、日本製鉄の計画 NEDOのGI基金事業に採択

2022年05月18日

ゴムタイムス社

 昭和電工は5月13日、同社および日本製鉄が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業/CO2の分離回収等技術開発プロジェクト」に対し、「革新的分離剤による低濃度CO2分離システムの開発」を提案し、5月9日に採択されたと発表した。

 グリーンイノベーション基金事業(GI基金事業)は、日本政府が目標として掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に必要なエネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションを大幅に加速するため、2020年10月に経済産業省によって総額2兆円の規模でNEDOに造成された。GI基金事業では、官民で野心的かつ具体的な目標を共有し、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで継続して支援している。

 同プロジェクトでは2030年までの9年間を想定しており、工場排ガスなどに含まれている低圧・低濃度のCO2を低コストで分離回収するための技術開発および、回収したCO2を原料に使用した化学品を製造する技術検証に取り組む。これにより、CO2分離回収プラント事業および分離剤事業の創出・拡大に加え、化石由来資源に依存しない、CO2を活用した化学品事業のビジネスモデルを創出し、カーボンニュートラルの実現に貢献していく。

 同研究開発内容では、コージェネレーションシステム、ボイラ、加熱処理炉、ナフサ分解炉からの排ガス、化学プロセスなどからの排ガスを対象とし、2030年2000円台/t―CO2以下のCO2分離回収コストを実現するための技術開発に取り組む。また、両社の大分の工場において実際に排出ガスを回収する実証を行い、当該目標の達成状況の確認までを実施するとともに、回収したCO2を用いた化学品製造技術の検証にも取り組むとしている。

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